Now On Summit

主に登山の記憶

天狗岳で雪山始め

 

2016.12.10 天狗岳(2,646m 長野県)

 

11月の東京に初雪は何十年ぶりだとか、今年の冬は雪が多いのかと思っていたが、なんだか山でもなかなか纏まった雪が降ってないような気がする。

2014年1月に今回と同じ唐沢鉱泉天狗岳~黒百合平~唐沢鉱泉の周回ルートを歩いたときは、駐車場を雪かきしてからスタートし、西天狗と東天狗の間のコルは腰ラッセルほどの積雪があった。この時は天気、気温、風、今回より条件は悪かったが、4シーズン登山靴とゴアのレインウエアで乗り切っている。

かなり寒かった記憶が(笑)

 

駐車場は普通に地面が出ていて拍子抜けしたけれど、前日に少し降ったようで、凍った登山道の上に数センチ積もっている状態だったのでチェーンスパイクを装着して歩き出した。

 

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尾根に乗った辺りでは霧氷祭りが開催中だった。

この日は勝手に9~10時には晴れると決め付けて登っていたが、予報では昼以降だったのでゆっくり歩いて霧氷を堪能していた。

 

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第一だったか第二だったかの展望台を過ぎると積雪量は増えて、雪山感が増した。

西天狗への上りに備えて森の中でハードシェルを着込む。

 

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樹林帯を抜けると岩場の上りになる。

ここまで複数のトレースがあったが、その本人たちらしき3人が引き返してきた。

「雪山の経験が少ないのでやめておきます。」

風も強かったし不安だったんだろう。

 

辛うじて出ているロープを目安に上へ上へ向かって歩いたが、天気は一向に晴れる気配がない。時間はちょうど10時だった。

 

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東天狗でしばらく待ってみたが、晴れるにはもう少し時間がかかりそうなので下る。

下り始めると下のほうだけガスが取れてきた。

(あぁ、今日はこの樹氷がメインだな)

そう思って写真を撮りまくった。

上は見えそうで見えないくらい。まだ青空は見えない。

 

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この方は西天狗の上りで追いついてきた和歌山の方。

会った時点で「黒百合に下りたら晴れますよ」と冗談半分で言ったが、そうなりそうな展開である。

 

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その時は来た。

和歌山の方も「もう一度登りたいくらい」と言っていたが、ようやく見えた八ヶ岳ブルーを目に焼き付けて下りた。

 

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悔しいねぇ。

この日はもう2時間ほど遅く行動するのがベストだったね。というか翌日が仕事じゃなければ泊まりで来ていたはずだ。

夜は綺麗な星が見えていたんだろうなぁ。

日程も気持ちも少し早い雪山始めとなりました。

 

 

 

日本一長い名前の山 牛奥ノ雁ヶ腹摺山

 

2016.11.20 牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1,990m 山梨県

 

 

妻のリハビリ登山に、ゆる~く尾根を歩きたいなと。

今回は湯ノ沢登山口から黒岳経由のピストンですが、もしかしたら牛奥ノ雁ヶ腹摺山~小金沢山の尾根が楽しい尾根だったかもしれません。

 

秀麗富嶽十二景の二番山頂でもあるので、ルート上の開けた場所からは、雪をかぶった富士山が綺麗に見えていました。

 

意外にも駐車場は満車で、人気ルートなのかと思ったら、三脚を担いだ方々が何人か下りて来ました。富士山カメラマンに人気のようです。↓この写真にも2人写ってます。

 

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落葉したブナの林でしょうか。

ここに雪が積もると好物の景色になります。

 

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勝手にイメージしていたよりも樹林帯が多く、苔もフワフワと生えています。

 

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山頂手前のいい道。全体的にこういう道のりをイメージしていましたが、少し違ったな〜。

駐車場の標高も高かったので、ピークは2,3つ越えていますが登り標高合計で7~800mくらいで楽チン。

 

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甲府市内は雲海で、奥には南アルプスもくっきり見えていました。

 

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山頂。

後ろは奥多摩方面ですが見晴らしはイマイチ。夏場は絶望的です。

山標にQRコードが貼ってあり、ムフフ画像が見れるみたいです。興味ある方は頑張って見に行って下さい。

 

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南アルプス北部も雪をかぶってます。

また来年。

 

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では富士山4連発。

カメラマンに人気なのもわかりますね。

 

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「ウシオクノガンガハラスリヤマ 」

「ウシオクノガンガハラスリヤマ」


歩きながら念仏のように唱えていました。

妻は覚えられなくて断念したようです(笑)





大天井岳へプチ縦走

 

2016.10.29-30 大天井岳2,922m 長野県)

 
 

2017年から「しゃくなげ荘駐車場」が利用できなくなるらしいので、先取りして「山のたこ平駐車場」を利用して一ノ沢登山口から自転車で下りてみました。

 

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結論から言うと、自分のようなヘタレ足で途中の登り坂は自転車を降りて押しても、しゃくなげ荘から10分前後。自転車で車回収に向かうようなMな方には問題ない距離でしょう。
途中に蕎麦屋やカフェも多いので、のんびりと安曇野サイクリングを楽しむつもりでも行けます。
 
 
 
で、ここから山行レポ。
 
 
麓はそこそこの天気なのに登山口はガス。燕山荘に着くまでひたすらガスの中でしたが、上は晴れてると信じて登っていたので、それほど苦ではありません。
 

 

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 燕山荘が近づくと青空が見えてきて

 

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おおっ!

キター!!

 

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突然姿を現した燕岳はこれまで見た中で一番キレイでした。

先を考えると燕岳はパスするほどにヘタレです。

 

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白い砂と、緑のハイマツと、グレーの岩の配色が絶妙。

 

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周りの山々も山頂周辺だけ雲が乗っている山がいくつもあり、槍もチラチラ見えたり見えなかったり。でも、こんな日に稜線歩きが出来るなんて幸せです。
 

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稜線左側の雲がどんどん上がって来ていますが、右側からの風に押し返されて稜線を超えません。

このまま大天井岳の山頂見えてるうちに到着できるか?

 

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稜線を安曇野側に数m入ると風はなくなり、こんな視界に。
 

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さっきまで一面青空だったのに気がつくと高層のうろこ雲が急速に押し寄せてきました。

大天井岳への登りに差し掛かると日陰になると同時に、ずっと吹いていた強風にも拍車がかかり、防寒対策の為ジャケットを着ます。カッパでは心許ないと思ったので、冬用ハードシェルを持ってきました。

 

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大天荘へ向かってるつもりが山頂へ直登していたのでルートミスしたのかと思い、後続の2人に「おーい、ミスったー!夏道あっちー!」と叫びましたが、「頂上に行く!」みたいなこと言ってたのでそのまま登頂しました。

 

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後に小屋前でテントを張っていたソロの方に「冬道に案内されてるから、直登で正解」と言われ気がついた。ハズカシ//

 

この日、大天荘はこのソロの方と先程の2人、そして私のテント3張りでした。小屋は営業終了してるので正規のテント場ではなく、強風を避けて小屋に寄り添うようにテントを張らせていただきました。

 

 

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テントを張ってから寒くて一歩も外に出ずにシュラフに入りましたが、3時頃少し星が見えていたので全部着込んで撮影タイム。

しかし強風に晒されすぎて30分ともたずにギブアップ。再びテントに戻って暖を取りました。

 

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翌朝、再び山頂へ。

この気軽さが大天井岳が好きな理由かもしれません。

もちろん山頂も小屋もテント場もロケーションは最高です。

 

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日の出を待ってみましたが、雲海の上の雲から出てくるまで時間がかかりそうなので、出発します。
 

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と思ったらすぐに出ました(笑)
 

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日の出前は槍穂に雲がかかっていましたが、徐々に取れ始めています。

 

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無雪期はアルプス中心の山歩きをしていますが、この山行の数日前にお話した方によると「北アルプスがどうでも良くなる程、東北の山は良い」とのこと。ルートやアクセスを検討しないとね。

 

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あの稜線もまた歩ける日が来るのでしょうか。
 

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前日は雲がかかって見えなかった後立山方面は雪が降ったかな?白く見えます。
 

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朝陽を浴びる北穂高と大キレット
 

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常念岳から下りて来る人が見えます。

ここまで上はハードシェルの下にフリース、下はソフトシェルパンツにレイン、ウール手袋にオーバーグローブという真冬並みな格好で歩いてましたが、常念乗越から少し下った風が凌げるところで休憩と衣服調整です。

下から何人も上がってきてました。皆さんお早い出発で。

 

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下りも雲の中に入ったらツマラナイなーと思っていたら、ちょうど雲の上と雲の中の境目くらいが霧氷ゾーンでして、思わずウットリ。
 

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霧氷ゾーンで写真をパシャパシャ撮りながら下っていたら、同じくパシャパシャ撮りながら登ってきた人がどこかで見た顔。7月の後立山で途中まで同じ行程だった方でした。

不思議なご縁ですね(笑)

 
 

大天井岳はこれで3回目になります。

全てテント泊装備で中房温泉から上がっていますが、大天井岳に着くころには毎回グダグダです。燕岳にも登ってから大天井岳まで余裕を持って行けるだけの体力が欲しいですね。

 

夏の後立山4日間が微妙な天気だったので、本格的な冬が始まる前に晴天の稜線を歩けてよかったです。

 
 
 
 

 

 

晩秋の北岳

 

2016.10.22-23 北岳(3,193m 山梨県

土日ともに午前中は良さそう。

上は0度とか2度とか。

どんな防寒対策が必要か忘れてしまったわい。

 

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スタートは最高の天気だったんだけどな。

 

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だんだん雲が多くなってきて

 

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稜線に出たころには黒い雲が近づいてきて、西側からの強風と雹。寒さとの戦い。

急ぎたくても足が付いてこない(泣)

 

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夜中も2時くらいになるとなんとなく晴れてきて、星も見えるくらいになってきた。

甲斐駒と北斗七星。

 

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またシュラフに潜りこみウトウトしてたら、起きるタイミングを逸して日が昇ってきてしまった。テントから日の出を見るのは自分のスケジュール的には稀なこと。天気はよさそうだ。

 

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頂上を目指す道中、西側には仙丈ケ岳と影北岳が。

 

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うろこ雲の下、岩場を進むと頂上だ。

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天空の稜線は安定のスケール。また歩きたいな。

 

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北岳から見る富士山は好きな景色だね。いつも素晴らしい。

 

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紅葉は広河原周辺がメインだったな。紅い成分が少ないので黄葉というのが正解か。

 

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帰りは頂上がガスに覆われてたのでスタート時の写真。

今回は白根御池ルートピストンでした。

今年も無事に北岳に登れることができて嬉しい。

 

 

 過去の北岳に関する記事

nowonsummit.hatenablog.com

 

nowonsummit.hatenablog.com

 

紅葉の白毛門・笠ヶ岳

 

2016.10.02 白毛門 (1,720m 群馬県

      笠ヶ岳 (1,852m 群馬県

 

昼前後は晴れるっつーので稜線紅葉に期待して行ってみた。

笠ヶ岳まではガスってて心配だったんだけど、少し先まで歩いてたらなんとなく晴れてきたよ。

 

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この日は前日雨にもかかわらず、朝日岳方面から馬蹄形を歩いてきた高校山岳部や年配グループがいっぱいだった。

よくやるわ。

 

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このエリアの登山道周辺は熊笹が多くてその部分だけ紅葉はしないけど、それもいいコントラストになってたよ。

微妙な天気だと登山口までも億劫になっちゃうけど、この日は登ってよかった。

今年は晴れのタイミングが合わなくて登山回数が激減、冬山の体力もつけないといけないしね。

 

 2年前の同じ時期の馬蹄形レポはこちら

nowonsummit.hatenablog.com

 

のんびり尾瀬でマッタリんこ

2016.09.03-04 尾瀬 (群馬県新潟県


初めての尾瀬
一応、山と高原地図は2013年版を持っているけれど見るだけで使うのは初めて。いや、会津駒のときに使ったかな?三岩岳が載ってないから使ってないか。



(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)

1日目
鳩待峠〜山ノ鼻〜竜宮小屋〜見晴〜東電小屋〜ヨッピ橋〜竜宮小屋〜見晴(テント泊)

2日目
見晴〜沼尻〜三平下〜一ノ瀬



天気は上々だけどハイシーズンじゃないから人は少ないね。
北岳の予報がイマイチだから晴れそうな尾瀬へ来てみました。



至仏山も燧ケ岳もくっきりだー♪
見えてる景色に変化がないので同じような写真ばかりになってしまう。
腕が問われるな、ここは。



村が見えたどー



1日目に燧ケ岳は登るつもりだったけど見晴の小屋集落の誘惑に負けてしまい、ハシゴした挙句にお昼寝してゴロゴロ過ごしました。尾瀬だからいいか(意味不
トイレはペーパーも流せる水洗で臭くないし、水場も完備。集落から一歩外に出れば尾瀬ヶ原を満喫できる、お気に入りのテント場となりました。



夕方ぐるっと散歩してから湯煎するだけメシ。相変わらずセブンのもつ煮サイコー。
この日は弥四郎小屋が休業中だったので、小屋前のベンチが気兼ねなく使えて、テント泊の方々で賑わってました。
夕方から寝るまでは雲が多くなって星空は見えないかなーと、



思ってましたが2時に起きたらコレ!
星撮り道具はセッティングしておいたのですぐ撮影に入りましたが、天の川の濃い部分は西方向に沈んでて、薄い部分がぼんやりとしか見えなくて残念。もっと早く起きてチェックするべきでした。
それでも四方を山に囲まれて真っ暗な尾瀬ヶ原で、満点の星空と幾つもの流れ星を堪能できました。



翌日は尾瀬沼経由で一ノ瀬まで。今回は休み明けの出勤が早いので早々に帰りたいところですが、一ノ瀬から大清水まで700円も払ってバスで下りてきたはいいけど、大清水から駐車場の戸倉へ行くバスが行ったばかりで次は1時間40分後。きまぐれで尾瀬に来たツケが回ってきてしまった。帰りのバスの時間を気にしてなかった。待つか歩くか考えていたら、目の前の駐車場に止めてた方が戻ってきたので、意を決して乗せていただけないか懇願してみたところ快諾していただきました。
この方、東電OBの方で尾瀬はかなり来ていたらしく、いろいろ興味深いお話も聞けました。乗せていただいてほんっっとにありがとうございました。


そんなこんなで人生初の尾瀬は、人生初のヒッチハイクで終わりました。チャンチャン♪

2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 3-4

2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 1-2はこちら


微妙な天気の中、3泊4日で栂池を目指して歩いてます。



(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)

3日目
五竜山荘3:40〜5:45唐松頂上山荘5:55〜6:15唐松岳6:30〜10:05天狗山荘10:35〜11:35白馬鑓ヶ岳11:40〜13:30白馬頂上宿舎(テント泊)

4日目
白馬頂上宿舎4:00〜4:30白馬岳4:40〜5:40小蓮華山5:40〜6:40白馬大池7:00〜7:20白馬乗鞍岳7:20〜8:45栂池高原



3日目

この日は唐松岳〜不帰キレットを越えて、最低でも白馬頂上宿舎までは行きたい。気分次第で鑓温泉もアリだけど、天狗山荘に10:00までに着いたら白馬大池まで行こうと3:40にヘッドランプを点けて出発します。 唐松〜五竜は2014年に歩いているのですが、唐松山荘に近い牛首という岩場以外あまり記憶にございません。樹林帯に入ったり小ピークに登ったり、こんなにアップダウンがあったんだなという印象です。暗くて相変わらずのガスの中でも時々唐松岳らしき山が見えるので、近づいている実感はあり、牛首を登って山荘が見えるとホッとします。

夏前にtwitterでフォローさせて頂いた方が何故か山岳警備隊になり唐松山荘にいるっぽいので、ご挨拶できたらなーと思っていたらすぐに実現できました。山荘前で記念撮影パチリ!

何となくガスが取れてきたので今のうちに山頂を踏んで先を急ぎます。山頂から先は不帰ノ嶮(かえらずのけん)というキレットなので、この旅2回目のヘルメットを装着し気合を入れます。

まだ早い時間ですが、すれ違いの方が結構いました。2峰を超えると1峰までの急峻な上りが見えますが、憂鬱なのがその奥に見える「天狗の大上り」、標高差300mを一気に登ります。不帰ノ嶮を通過し天狗の大上りに差し掛かるところでエネルギーチャージしました。

息も絶えだえ300mを登りきると遠くに雪渓が見えたので、おそらく天狗山荘もあそこだと張り切りますが、見た目以上に遠くて萎えます。天狗山荘には雪渓の雪解け水場があり飲み物がキンキンに冷やされていて、思わずコーラを購入。美味かった!頼んだ牛丼もかなりポリューミーでしたが何とか完食。白馬大池までの活力になります。

天狗山荘をスタートしてすぐ、少し成長した子ライチョウに会いました。ここまで他の登山者の方から目撃情報は聞いていたものの会えずに、2年振りくらいに会ったライチョウは望遠レンズに付け替えてる間も隠れずに居てくれました。

鑓温泉への誘惑を過ぎると真っ白な白馬鑓ヶ岳です。ザレた白い斜面をひたすらつづら折れに登り、気付いたら山頂へ直登してました。山も白いですが、それ以上に空が真っ白です。

白馬鑓ヶ岳を下り始めると急に暗くなり風も冷たくなりポツポツと雨が降り始め、すぐに本降りになりました。カメラを濡らすワケにはいかないのでドライバッグに入れザックの中へ。当然ですが杓子岳は巻きます。

なのでしばらく写真は無く、次の写真がコレ。雷も鳴ってたので仕方なく混み混みの白馬のテント場で幕営。この後降ったり止んだり。明日は最終日、好天に期待するしかありません。
これだけ人がいると健太(※同日程で同じルートを歩いているG大阪長谷川健太監督似の若者)がいるのかいないのかわかりませんが、雨の中、白馬大池まで行ったのかもしれません。

夜中ふと目が覚めて空を見るとなんと天の川が見えているではありませんか!予想外のことだったので急いで星を撮りました。薄っすらガスが掛かってますね。もう少し早く目が覚めればよかったんですが、これでも山の上で見る星空は最高です。


4日目

テント場から、頂上宿舎から、白馬山荘から、山頂ご来光を目指して大勢の方が登っていきます。ご来光は下山ルート上から見えそうだったので頂上は写真だけ撮ってそそくさと下山開始します。

しばらくして富山側からガスが上がってきて、完全に閉ざされる前に日が昇りました。この旅初のご来光です。ぼんやりしてますがこれはこれでいい感じです。山頂にいた大勢の方々はガスのないご来光は見れたのでしょうか。

小蓮華山を過ぎるとガスが晴れて鹿島槍ヶ岳までの稜線が見えてきました。あそこから幾つもの頂を越えてここまで歩いてきたと思うと、込み上げるものがあります。

完全にいい天気になりました。雲海も見えて稜線もバッチリ。これから登る方は羨ましい限りです。

白馬大池でザックをおろして休憩しつつ人間ウォッチング。幼稚園から小学校低学年くらいの子供が多いですね。こんな天気にこんな素晴らしい景色の中、お泊りができたら山が好きになっちゃうだろうなーと思っていたら男の子が泣いていました。山岳警備隊の方に「泣いてても家に帰れないぞ。」と発破を掛けられ、お母さんと手をつなぎ白馬岳方面に登っていきました。山頂まで行けたかな?

乗鞍岳周辺は大きな岩の上を大股で歩く場面も多いので足にきますね。しかしこれが最後のピーク。あとは下るだけで旅は終わります。

大きな岩がゴロゴロしている急斜面を飛び跳ねるように下っていたら、見覚えのあるゼロポイントのデカザック。そうです、健太です。
「おー君はもしや!」
2日ぶりの再会でした。聞くと、やはり彼は2日目に唐松まで行っていましたが、3日目に私が唐松山荘に着いた時間にはまだ出発していなかったようです。おそらく私が白馬でテントを張り終えてマッタリしていた頃、雨も止んできたので白馬大池まで進んだようです。

そして感動のゴール!お疲れ様!
ホッとする反面、終わってしまった寂しさもあり複雑な気持ちになりました。

栂池パノラマウェイのロープウェイに爺ヶ岳から船越ノ頭までの稜線の写真が貼ってありました。
「これ、全部歩いたんだ。」 「幸せすぎるね。」
ゴンドラを降りて健太とはガッチリ握手をして別れました。
「またどこかの山で!」

途中ほとんどガスの中だったけど、撤退を余儀なくされるような悪天候にならず、ケガもなく無事に歩き通せました。
この山旅を快く送り出して見守ってくれる妻と、この山旅で出会った全ての方、この山旅を支えてくれた全ての方に感謝します。
ありがとうございました!!