梅雨の合間に巻機山
2017.06.24 巻機山 (1,967m 新潟県・群馬県)
そこそこアクセスは楽なのに今まで巻機山に行かなかったのは、残雪期に白毛門から繋げてやろうと思ってたから。
なかなかタイミングが合わず残雪期は行けずじまいだったので、とうとう行ってしまいました。
とにかく蒸し暑い。
七合目から開けてくるので幾らか暑さは和らぐが、今年一番の汗でした。
朝日岳から続く稜線。長いね。。
ニセ巻機山は九合目。
ここまで来れば気持ちのいい稜線歩きです。
一旦下って避難小屋へ。水場は雪の下らしい。
この日は午後から登って来る人も多かったので、満員だったんじゃないかな。
ここを登れば稜線だーと思ったら頂上でした。
本当の頂上へ向かいます。
こんな道を登った先のケルンのあるところが本当の頂上ですが、自撮り写真しか撮らなかったので写真は割愛。
そこそこ距離もあるような感じでしたが、急登もなくいいルートですね。
晴れてればもっと気持ちよかったでしょう。
ただ土合駅から二泊三日で行けるのか心配になってきました。
来年こそは。
trekkinnで個人輸入(2回目)
前回の記事↓
trekkinn.com
La SportivaやArc'teryxやGregory等メジャーブランドが日本から買えなくなって久しいtrekkinnですが、良さそうなAsoloの登山靴がありましたので購入してみました。
海外通販は苦手な方向けに、最初から最後までスマホで購入する手順を追っていきます。
ちなみに購入日は2017年6月10日です。
まずは商品ページからサイズと数量を選んでカートに入れます。
カート画面になります。
前回は発送がDHL一択でしたが、2017年6月現在は、安くて遅い日本郵便と高くて早いDHLが選べます。
DHLは100%税関検査があるようですが、日本郵便だとその検査がランダムに選ばれた物だけが検査を受け、選ばれなかった物は関税がかからない?みたいな記事を見ましたが本当でしょうか?
とりあえず日本郵便を選択して「ギフトカードもしくはクーポンコードをお持ちであれば」をタップし、5%OFFになるクーポンコードを入力します。
すると割引後の価格になるので支払い画面へ。
個人情報を入力します。
漢字でもイケそうでしたが念のためローマ字で記載しましょう。
郵便番号、番地、建物名、部屋番号さえ間違っていなければ届くでしょう。
私はリピーターですので入力は楽でした。
PayPalかカード情報まで入力したら支払いましょう。
確定しました。
一番気になる、受け取り時に支払う額を計算してみます。
商品代金 23,171
割引 ▲1,158
ーーーーーーーーーーーーーー
22,013
この金額から算出。
前回は関税が約16.5%、消費税が約6%、立て替え手数料1080円でしたので、それに当てはめると
関税 3,632
消費税 1,321
立て替え手数料 1,080
ーーーーーーーーーーーーーー
6,033
受け取り時に約6,000円の支払いを覚悟します。
都市伝説的に関税がかからないといいなあ。
注文確認メールは6/10当日に、発送メールは6/12に来ました。
土日を挟んでいたので、平日ならもっと早いかもしれません。
発送メールに追跡のリンクが書かれているので簡単に追跡できます。英語のほうがわかりやすいので英語表記に切り替えます。
Statusが更新されるたびにワクワクします。
税関に丸一日いるので「もしかして・・・」と思っていました。
6/21到着です。
発注から11日かかりましたが、日本郵便を選んだので予定通りでした。
DHLなら4~6日で届くようです。前回は4日。
受け取り時に支払ったのは4,500円でした。
トータル 29,286円でした。
このAsoloというブランドは、私の知っているところではモ○ベルとさか○やで扱っています。そこでは5マン円弱で売っているのでそこそこお得に買えましたが、今回の金額がこの靴の適正価格のような気もします。
私は登山靴しか買ったことはありませんが、ウエア類やクライミング道具を買ってる記事も見つかりますので、気になった方は検索してみてください。
人気の高尾山〜陣馬山縦走
2017.06.11 高尾山 (599m 東京都)
陣馬山 (854m 東京都・神奈川県)
一度は行っておかないとね。
高尾山+ビアマウントは7〜8年前に行ったことはあるんだけど、その奥は初めて。
時期的に暑そうだったけど、この日は割とカラッと涼しく感じました。
まだ朝7時前だというのに結構な人。さすが高尾山。
初めて踏み込む奥高尾。城山までは遊歩道っぽい道だった。
城山到着。ショッピングモールのフードコート並にあるテーブルに驚きつつ、茶屋は準備中だったけど小休憩。この大量の席が埋まるほどの登山者が来るということか。恐ろしい。
小仏トンネルの東京側の中央道が足元を走っている。なんか新鮮。
景信山も山頂はテーブルだらけ。
その後の登山道は、真っ平らな土、根っこ、階段の3通りで出来ていた。登山者に1人会うまでにトレランの方に3人会うくらいの割合。トレランは走りやすそうではある。
名前があるピークも、名前のないピークも、だいたい巻き道がある。高尾側から行くと巻かれる運命にありそうな堂所山。しばし休憩してたけど、20分で5組くらいしか来なかった。
陣馬山と言えば白馬の像が有名だけど、そのイメージしかなくて、まさか頂上にこんな楽園が広がっていたとは。その辺にテント張って5日間くらい滞在してダメ人間になりたい。
芝生の上に寝てる人もいました。日焼け注意。
さて、下りるか。と、下り始めてしばらくしてからバスの時間を思い出した。1時間に1本しかないから逃すと1時間近く待たないといけない。小走り気味に下りて、発車2分前に着いた。よかったよかった。
[マイカーでのアクセス]
車は高尾駅近くのコインパーキングに止めて、始発の京王線で高尾山口駅へ。帰りは陣馬高原下からバス30分ちょいで高尾駅へ。
シャクナゲの笠取山・唐松尾山周回
2017.06.03 笠取山 (1,953m 山梨県・埼玉県)
唐松尾山 (2,109m 山梨県・埼玉県)
以前から気になっていたルート。
結局はお荷物になってしまったけど、テント持って行ってみました。
上りはゆる〜く
あっと言う間に小屋に到着です。
テント張るには良さそうな所。
少し上がれば展望が開けます。
時間もあるので雁峠小屋をチェックしに行きましたが、廃墟になってて薄気味悪いだけでした。明るかったから良かったけれども。
気を取り直して山頂を目指します。
富士山好展望でした。
冬は葉が丸まってダラーンとなってるシャクナゲが、息を吹き返したようにたくさん咲いています。
次は唐松尾山へ。樹林帯にて展望なし。はい、次へ。
三条の湯のお兄さんに「西御殿岩はいいとこだ」と言われてから早数年。ようやく来ることができました。このエリアでは360度見渡せるのは貴重なのかもしれません。
テントを張ろうと思ってた将監小屋が見えてきました。なんとなくテントな気分じゃ無くなってきたので、このまま降ります。
降りたら車道を少し上って、デポしておいた自転車でピューっと戻ります。歩いたら30分は掛かりそうなので、自転車は正解でした。
アップダウンはそこそこありますが、全体的に緩いルートでした。ほぼ樹林帯なのが残念なところ。いっぱい咲いていたシャクナゲのトンネルに癒されました。
GWは涸沢・北穂高岳へ
2017.05.03-05 北穂高岳 (3,106 m 長野県・岐阜県)
涸沢を目指すときは2泊の日程は欲しいので、少なくとも3連休じゃないと行かない。
そうなるとどうしても混雑は避けられないので、涸沢に行くのはあまり好きではない。
テントさえ張ってしまえば天国なんだけど。
上高地から横尾までの3時間の平地歩きが嫌い。
抜いたり抜かれたり、あの殺伐とした雰囲気が嫌い。
せめて半分、いやあと1時間少なければな。
嫌いな平地も終わり、横尾から橋を渡るとルートは雪に変わる。
初めて向かう雪の涸沢に向けて、この辺りから気分はネガティブからポジティブに。
最後に涸沢に行ったのは2013年10月。
そのときは沢渡でコケて、カメラのレンズフィルターを割ってしまい涸沢までモチベーションが保てず、横尾にテントを張って、翌早朝に涸沢入りというスケジュールになった。おかげで穂高は登らず、パノラマルートの屏風の耳から穂高を眺めることが出来たので、それはそれで良し。
なので夏道もどんなルートだったかは覚えていない。横尾から涸沢はそれなりにキツイということだけ。でも積雪期は傾斜はキツイが歩きやすいので、思ったより早く涸沢に到着した。
やはりテントを張ってしまえば涸沢は天国で、涸沢ヒュッテで呑み、涸沢小屋でも呑む。移動は面倒だがこれは儀式だ(笑)
夕方は曇ってしまっていたが、夜中は晴れていた。またゴソゴソと起きて一人星空鑑賞会。天の川のある南の空は薄い雲が広がって、天の川はくっきり見えなかった。
何より35mm換算で24mmのレンズでは涸沢の空を撮るのには狭すぎた。
南向いたり、西向いたり、北を向いたときにたまたま流れ星が撮れた。空を見ていなかったのでホントに流れ星なのかは不明。
少し焼けたモルゲンロートを見てから準備をする。もう奥穂や北穂に登り始めてる人が見える。
これから登る北穂沢はどう見ても壁なんだが、あんな所を登れるのか。それでも涸沢から北穂へ登るのは初めてなので、不安よりは期待でいっぱい。
デブリです。雪崩の跡です。数日前に雪が降って、その後気温が高めなので雪崩れたようだ。一度雪崩れてるし、もうこのルートでは雪崩は起きないだろうと、このときは思っていた。
すぐに涸沢のテント村が豆粒になった。壁のように見えていたルートはやはり斜面だ。かなり急な斜面。ペースはゆっくりだが標高はグイグイ上がる。
前にも後ろにも人が連なっている。ピッケルを突き刺さなきゃいけないほどでもないが、足元は一歩一歩確実に。滑落したら誰かを巻き込んでしまうかもしれない。
東稜からアタックしているパーティも結構いた。人が立っている小ピークから左は、笑っちゃうくらいのナイフリッジになっている。時間と共に雪質が柔らかくなってくると怖いだろうな。
そして山頂へ。夏は平らで広い山頂のはずだが、10人も居ればいっぱいになるくらいの広さしかなかった。たぶん雪のせいで標高はプラス3~4m、山頂標は雪に刺さってるだけ。
妻は穂高連峰の山頂に立つのは初めて。初めての雪の涸沢、初めての涸沢から北穂、妻の初めての穂高登頂、初めてづくしで顔もほころぶ。
北穂高小屋テラスへの階段もちょっとした雪の回廊になっていた。微妙に怖い(笑)
ここはホットコーヒーが美味しいので注文するつもりだったが、とにかく暑くて水分不足だったのでコーラをプシュッ。最高。このロケーションも最高すぎ。
ズブズブの雪を下りヘロヘロになりながら涸沢小屋に戻って祝杯を挙げつつ、もう一泊涸沢にいるか、徳沢まで下りるかを話し合った結果、予定通り徳沢まで下りることにした。
下る僕等と入れ替わりに登ってくる方々も多い。天気もいいので楽しんでください。
徳沢もテントは賑わっていたので隙間にテントを張った。意図せずTwitterのフォロワーさんに何人か会ったのでびっくりした。芝生の上にテントを張れるので快適に過ごせる。徳沢も天国です。
3日目もいい天気に恵まれた。前回の燕岳といい今回といい、こんなに当たりでいいんだろうか。この先の夏山シーズンの天気が少し怖い気がするが大満足の山行となった。
[雪崩]
北穂から下る途中、奥穂の吊尾根寄りの岩肌から雪崩が何度か起きているのが見えた。自分たちの上からもソフトボールほどの大きさの雪が誰も居ない斜面から転がってきたり、東稜ルートのほうでも掛け声が聞こえていた。だいぶ下った辺りで奥穂の方から複数の掛け声が聞こえたので見ると、登山者が登っている「あずき沢」(ザイテングラートの左側)に雪崩が流入し、数人の登山者が流されるのが見えた。幸い大事には至ってないと聞いたが、雪崩の現実を見て春山のリスクを思い知らされた。午後には自分達が登った北穂沢も雪崩たらしい。雪が緩む前に下山するように心掛けたい。
シーズン開幕 燕岳
2017.04.22-23 燕岳 (2,763 m 長野県)
登山口のある中房温泉までの道路の冬季通行止期間が4/21で解除されるとのことで、久しぶりに歩く妻には丁度いい距離なので行くことにした。しかし道路整備が追いつかず、解除予定が4/25に延期になってしまいモヤモヤしてたけれど、関係者各位の努力により当初の予定通り4/21に開通した。ありがとうございます。天気も良さそうだし、開通初日だし、賑やかになりそうだ。
燕岳への登山道、いわゆる合戦尾根は、おそらく北アルプスの登山道の中で歩いた回数が一番多い。しかし、日帰りが1回と大天井泊が3回。燕山荘テント場は使ったことがない。それだけで楽しみである。
第一ベンチでアイゼンを装着し、第二第三とどんどん積雪が増えていき、合戦小屋はまだ2/3ほど埋まっていたが、ドリンクとカップ麺は販売していた。スタート時はガスが多かった空もだいぶ明るくなり大天井までの稜線も見えるほどになっている。夕方以降は晴れマークしかない予報だったので期待せずにはいられない。
合戦小屋から尾根を目指すと槍ヶ岳が見えてくる。思っていたより雲が少ないかもしれない。早く向こう側も見たい!という気持ちとは裏腹にペースは落ち気味で、ようやく尾根に乗ると、ソロの人が苦しそうに登っているのが見える。足を動かせばそのうち着くのだが、まぁ先が見えてからが遠い。
後ろからも続々と登ってくる。ここまでそれほど混んでるという感じでもなく、スタートも出遅れ気味だと思っていたけど、そうでもないらしい。
そして燕山荘に到着。まだ雲が少し残っているものの雄大な裏銀座の景色が広がっていた。燕岳も山頂までクッキリ。もうここまでで十分堪能できます。テント場はまだ3〜4張しかなく選び放題。と言っても雪面の更地なので壁と整地をしないと。まだしばらくは雪の上にテントを張ることになるので、そこそこ立派な壁を作っておけば明日以降も使い回せるでしょう。
テントを張り終える頃には、後から到着した人達もテントの整地をしていました。天気は更に回復し雲は何処かへ行ったようで、この上ない空。この冬山シーズンは天気に恵まれなかったので写真の枚数も増えていきます。一仕事終えた僕らは小屋へ至福の一杯を頂きに。
テントに戻って小一時間寝てから夕陽タイムです。この日は星空も期待できる予報だったのでカメラマンもたくさん来ていました。色を濃くした夕陽は水晶岳と水晶小屋の間に沈んでいきます。山の上で夕陽見たのはいつ以来だろうか。
山々が赤く染まる頃、今宵の星空のために夕飯をとり早々にシュラフに潜る。辺りが暗くなったと思ったらすでに満天の星が出ていた。
夜中1時。もそもそと起きて外を見る。よし、雲ひとつ無い天体ショーの始まりだ。
カメラを持ってまたテント場の丘に登る。小屋前にも2人ほど写真撮影をしているようだ。流星と天の川。残念ながらコラボ写真は撮れなかったが、1時間少々で10個ほどの流星を見ることができた。
次は朝日。忙しい。
冷え切った身体がなかなか温まらなかったので、深い眠りに付くことなく目覚ましが鳴る。ご来光というよりは、小屋前に人々が並んだシルエット写真を後ろから狙っていたのだが、人々はまばらだった。テントも10張ほどしかなく、道路開通のドタバタが影響したのか、混雑とは無縁な人数でした。
朝食を食べてある程度片付けたら山頂にも行ってみた。立山方面も白馬方面も見渡せてほころんでしまう。山頂で妻が写真を頼まれたらしく、「撮ってあげて」と言われたので一眼レフかと思ったらスマホだった。思い切り手を伸ばして上から見下ろす感じの写真を撮ってあげたら「斬新」と言われた。狭い山頂や崖っぷちでこういうアングルで撮るのは好きだ。
では、そろそろ下りましょうか。
こんなに快晴で、こんなに風が穏やかで、こんなに空いてる燕岳はシーズン中はなかなかない。とても貴重な時間を過ごせたと思う。
※ほとんど移動していないので、似たような写真ばかりで申し訳ありません。
これぞ上越 タカマタギ・日白山
2017.04.01-02 棒立山 (1,420m 新潟県)
日白山 (1,631m 新潟県)
衝撃の出会いから約2年。
初めてこのルートの写真を見たとき、素晴らしい雪庇の稜線に一撃でハートを射抜かれた。夏は藪がひどいらしくて、雪で覆われたシーズンしか登れない山というのも心をくすぐった。
昨シーズンは雪が少なめだったのでパスして、今シーズンは雪が多そうなのでチャンスを伺っていたら4月になってしまった。できれば3月中に行きたかったが、ようやくそのルートを歩く時がきた。ワクワクが止まらない。
谷川岳と同じエリアとはいえ、群馬側と新潟側とでは天気が分かれそうな土曜日。晴れたらラッキーなくらいで行って、日曜日に期待だ。
林道をしばらく歩いて、棒立山の尾根に向かう斜面へ取り付く。アイゼンを付けていると後ろからソロの方が追い付いてきたが、その場を入れ替わるようにスタートした。
のっけからかなりの急登である。シェルジャケットは着ていないが、シェルパンツを履いていることを後悔した。途中、鉄塔の下で、初めてサイドをフルオープンにしてシェルパンツを脱ぐ、というか外す。この間に先程追い付いてきたソロの方に先を譲る。その方はスノーシューだった。
森の中を登っていくと雪庇にぶつかる。このまま左へ登って行くには雪庇を超えなければならないようだ。手前でトレースが錯綜している。右から回り込めば何の事はないのだが、とりあえず雪庇超えを試みるものの危ないので大人しく回り込んだ。
どう見ても上の方は雲の中。雲との境目に見え隠れする霧氷が綺麗だ。
前日以前のトレースが見当たらないため、スノーシューのトレースを辿るが、軽くない体重+雪山フル装備の重さに耐えられず、少しでも楽になればとワカンも履いた。
スノーシューのトレースは霧氷の森の中を通っていたが、気温が上がってきてパラパラと氷が降ってくるのが鬱陶しくて、雪庇寄りのルートを取ることにした。45度くらいあるノートレースの斜面を3〜4回蹴り込んで確実な足場を作り、一歩一歩進む。先が見えず、気がつくと雪庇の端が2mくらい横に近づいていて、逃げるように斜め歩きしたり。
ようやく一つ目のピーク、棒立山に到着する。元々登山道もない藪山なので、山頂を示す標識があるわけでもなく、ただの雪の更地であった。辺りは真っ白で何も見えないが、腹は減っているのでカップラーメンを食べて次なるピーク、タカマタギを目指す。と意気込んで10m歩いたら穴に落ちた。
棒立山から一旦下った辺りで、先行のスノーシューの方が戻ってきた。日白山から東谷山を経て二居へ抜けたかったが、タカマタギの時点でホワイトアウトだったのでやめたとのこと。なるほど、最終目的地は日白山なのでタカマタギは超えておきたい。情報とトレースのお礼を言って別れた。
晴れていればこれ以上ない程の雪庇尾根歩きを堪能しているはずなのに、右手の樹林帯から離れないように先の見えない上りを登っていると程なくタカマタギの山頂に着いた。思っていたより全然近かった。
(注)真ん中の棒は山頂の山標ではなくただの枝です。
ここからは冒頭のようなアングルで「山と雪庇とテントと星」の写真が撮れそうな場所を探しながら歩く。まぁ景色は見えていないので想像で。
雪中テント設営には必須事項である防風壁を作るのに新アイテム、スノーソー(ただの枝打ち用のこぎりだが)が大活躍した。この時期の雪は切るだけでブロックができて切り出しやすい。しかもサクサク切るのが面白くて、無駄に積み上げた。ペグもそれほど深く埋めなくてもガッチリ効くのでパウダースノーより簡単に設営できる。雪中テント泊に限ったことではないが、雪山は残雪期から始めたほうがいい。
夕方、翌日を楽にするためにトレースを付けに日白山方面へ向かってみた。ほんの100mも歩いたところに広い雪原が広がっていて、テントはここのほうが良かったかもと思う辺りが優柔不断な性格。
相変わらず真っ白で先は見えない中、日白山の手前のピークへの上り斜面が物凄く急に見えたので引き返した。小動物の交差点を理由に。
翌朝に後悔することになるのは容易に想像できる。
月の無い夜中2時頃に天の川が上ってくるので写真を撮りまくるぞーと18時くらいに就寝。ちょいちょい目が開くのはテントを叩くパラパラ音のせい。これは雨なのか雪なのか。内側からテントを叩くとサーッと滑り落ちる音がしたので雪のようだ。結局一晩中こんな感じで小雪が降っていて、とても星空どころではなかった。
こうなったら日の出を日白山山頂で、という目的に切り替えた。冷たくなったあんぱんを炙って食べるが、中のあんは冷たいままだった。とかやってるうちに薄っすら明るくなってきて「これはキタかも!」と山頂へ急ぐ。
夜の降雪で多少埋まってしまったが、やはり昨日もっとトレースを付けておくべきだった。トレースがあるのとないのじゃ歩きやすさがかなり違う。
日の出から30分ほど遅刻して日白山の山頂に到着したが、棒立山やタカマタギと同じくガスに包まれていた。いつものようにスマホをリモコンにしてカメラで自撮りをしても、なぜかスマホとカメラのwifiが切れてしまってイライラしてると西側が明るくなっていた。周りはガスっているのに苗場山だけがクッキリ見えているではないか。近い。
この山行で初めて見えた景色らしい景色だった。wifiが切れるとか、俺、小せぇ。
それからは歩いてきたタカマタギからの稜線、平標山や千ノ倉山が一気に見えてきた。斜面が朝日を浴びて輝いている。星空を撮れなかった鬱憤を晴らすかのように写真を撮りまくった。
テントのロケーションは少しイメージとは違ったな。
谷川岳までの全部の雲が取れたのは棒立山から下った辺りだった。もっとのんびりできれば谷川エリアの全貌の絶景も見れたはずだが、この日はいつも以上に早く帰らなければならなかったので次回にお預けである。
結局会った人は、1日目のスノーシューの方と2日目棒立山より下で年配ご夫婦と10人くらいのパーティだけ。稜線は独り占めでした。
あ、シカがいたわ。