谷川主脈は稜線好きには最高
2018.10.07-08 平標山(1,984m 群馬県・新潟県)
流れまくっていた友人との縦走計画、三度目の正直でようやく実行へ!狙うは谷川主脈。平標山の家避難小屋泊の翌日谷川岳までブチ抜きます。初日は土合駅から電車バスで登山口まで向かい、小雨の中を平標山の家まで。夕方から風が強くなったのでテントにしなくて正解でした。
翌朝、暗いうちから身支度をして外に出るとガスというか霧雨で気分も下がり気味でしたが、平標山山頂を目指して登っていると、雲を突き抜け星空が広がります。これはアガる!
山頂から下り始めるとガスの中に突入し、仙ノ倉山頂に着く頃にはガスは抜けても高曇りになっていました。ぉぉぉ、さっきまでの空は何処へ行ったんだ?新潟側の雲海がどんどん満ちてきて稜線から溢れます。遠くから見れば綺麗な滝雲なんでしょうが、近すぎてよくわかりません。日の出の時間も過ぎているのに太陽はどこにあるのかわからないし、この先のルート上のピークも雲海の下だし、進むか待つか。20分ほど待っても状況変わらず、進むことにしました。
状況が変わったのがエビス大黒ノ頭から越路避難小屋へ向かう途中でした。1800m以下の雲が晴れ、先の稜線が現れます。おお!いいねぇ!山頂は雲の中だけど、ウネウネした稜線が見えて喜べるなんて、稜線マニアならでは。眼下の山肌には紅葉が見えます。
ピークは雲の中、下りると景色が広がるというもどかしい状況は結局最後の谷川岳まで続きますが、これでもかという稜線と、草紅葉の黄色と熊笹の緑と眼下に広がる紅葉の赤が織り成す風景は、想像を遥かに超えて私の脳裏に焼き付きました。
谷川岳に近づくにつれて、すれ違うパーティが増えて来ます。向こうからしたら主脈に入って我々が最初の対向者なのでしょう。ほぼ100%「今日は何処からですか?」と声をかけられ少しお話をさせていただきました。皆さんそれぞれ色々なルートで新しい発見もあったり、このルートに対して情熱や憧れが感じ取れました。私もやっと憧れのこのルートを歩く機会が来て楽しめていたのですが、もう少し、あと少しだけ天気が良かったら最高だったかな。
紅葉ハイクで賑わう谷川岳は写真だけ撮ってそそくさと西黒尾根へ。何度か登ったことはあっても下るのは初めてです。谷川岳まで9時間ほど歩いて足が終わりかけてからの日本三大急登を下る。ドMですね。西黒尾根を下りてこそ、この主脈縦走は完成すると思っていたので自然な流れでしたが、流石にこたえました。
友人とは初めての山行でした。5〜6年前に長野に移住して、農業のほか色々な活動の傍らトレランもやっていて、私の倍のペースで歩けます。筋肉の使い方を教わり試してみましたが、雑誌やネットで得られる「歩き方」とは真逆な感じで、理屈は理解できても慣れるのは中々難しい。体得できれば登山スタイルが激変しそうではありますが、今回はお預け。殆ど私のペースに合わせてもらいました(笑)
双六の大地へ
2018.09.22-23 双六岳(2,860m 長野県・岐阜県)
週末好天を掴めずにいたらいつの間にか季節が変わっていた。
「明るくなってきた!」「雨止んだ!」何度叫んだか。そんな期待を持ってなきゃ標高は上がっても気分は上がらない。
駐車場の空き具合から、登山道もテント場もそれほど混雑はないと予想していたが、各休憩ポイントにはそれなりに人はいた。
「今日はどちらまで?」
「三俣目指してたんですけど、雨でバテ気味なので双六でいいかなって」
こんな会話が何度か聞こえていた。
稜線に上がると雨も上がりガスも取れ始めている。予報は当たりだ。
予想通り、テント場は選び放題だった。双六のテント場は初めてだ。キャパは相当あるが基本的に斜めっている。小屋に近い砂利の無い区画にテントを張った。
僕は双六を目指していた。というより「双六の大地越しの槍」を目指していた。過去に一度だけ通った双六の大地はガスに包まれて、それは切ない景色だったから。夕刻の時を見計らっていよいよ双六の大地へと上がる。ここで撮りたい写真があり、その為だけに望遠レンズも持ってきたのだが、思っていた写真は撮れなかった。
双六の大地は陰り、僕も下山を始めるころ、正面に見える槍ヶ岳がオレンジ色に染まり、白い月が昇っていた。
天気は良いが風が強めの朝だった。この日は降りるだけ。笠ヶ岳への稜線はまたいつか。登りは雨だったので、見れなかった景色を楽しんでいこう。登りでは数回渡渉したが、それがどこだったかわからないくらいに普通の登山道に戻っていた。
マイナスイオンたっぷりの空気と、ひと月ぶりの山歩きに心が満たされた。わさび平小屋でリンゴをかじったのもその表れだったのだろう。
写真をGoogleフォトから貼り付けられるのを初めて知りました(^^)
飯豊を縦走してきました
2018.08.12-13 飯豊山(2,105m 山形県・新潟県・福島県)
他
天気がイマイチなので予定していた北アルプスから変更し、天気が良さそうな飯豊連峰へ。2泊の予定でしたが天気の関係で1泊で、飯豊山荘からダイグラ尾根を登り、梶川尾根で下りる周回ルートです。車で行くには便利な周回ルートですが上りも下りも標高差がありますのでルート選びは慎重に。
お盆休み直前に変更したこともあり、初日は移動日。下道で飯豊山荘へ向かいます。夕方に到着したのでお風呂でマッタリ、明日に備えます。
暗いうちから林道を歩き、ダイグラ尾根の始まりの吊橋を渡ると、いきなりの急登でグイグイ標高を上げていきます。この日、5人の方に抜かれましたが、その内2人は日帰りで周回するとのこと。ビックリです。
北側が開けたところまで出ると雲海の向こうは朝日連峰でしょうか。初めてのエリアなので山座同定もままなりません。
あの気持ち良さそうな稜線が飯豊の主稜線。まだまだ先ですが、ドリンクの消費がハンパないです。
ダイグラ尾根ルートは破線ルートですが、ただ長くてキツイだけではなく、草刈以外の登山道整備があまりされていない印象です。こういった短いトラバースの箇所が多数ありました。アルプスならロープや鎖が設置されていそうなところでも一切ありません。
ここまで来れば既に歩く楽しさしかありません。最後の厳しい登り!
うわぁ。
壮大な景色が広がってきました。早く歩きたい!
山頂はすぐそこ。
約8時間かかってダイグラ尾根を登り切りました。先週に続き標高差1,700m、獲得標高2,100m。がんばりました。
山頂から本山小屋を見ると、あちらのほうが高い疑惑。
登ってきたダイグラ尾根。歩き応えがありました。
御西方面のスカイロード。奥は飯豊連峰最高峰の大日岳。
御西小屋が見えてきました。ここでテント張ります。
が、
なんとサイフを車の中に置き忘れて来てしまいました。管理人さんに事情を説明し、代金は後払いということで、ビールは1本だけいただけました。ありがとうございました。
問題はビールをいつ飲むのか。今でしょ←
水場は少し下ったところ。ちょろちょろでしたが冷たくて美味しい水でした。
ロケーションは文句ないですね。日本海も見えます。小屋もテントも意外に空いてました。
2日目。
天気が下り坂ということでこれまた予定変更して下山します。CT11:20の長丁場ですが、全体的にCTは緩いです。普段から歩いてる人なら×0.6~×0.8で歩けるでしょう。
もうね、見えるもの全部稜線。稜線好きには堪らないシチュエーション。
途中の烏帽子岳。このお盆は北アの烏帽子岳に行く予定でした。なにげに2018m、今年2018年の山でした。
梅花皮小屋と北股岳。
この日、やや風が吹いていたのですが、この小屋のテント場はかなり風の影響を受けそうでした。何張りかありましたが、かなり風を受けていました。
北股岳はややアルプスっぽい山容で、飯豊連峰の中でもちょっと違う雰囲気でした。
北股岳から門内岳の稜線はいい稜線でした。ただの個人的な好みですが笑
門内小屋テント場もこじんまりと10張分ほど。水場も近いようですね。本来なら早朝に大日岳をピストンし、ここで2泊目の予定でした。いつの日か、のんびりと歩ける日が来ますように。
梶川尾根へ入り、いよいよ稜線とはお別れです。快晴とはいきませんでしたが、遠く鳥海山まで見えていたので、初めての飯豊にしては出来過ぎでしたね。
下山の尾根もいい稜線・・・と思っていたのは見えているところまでで、この後ハイパー激下りタイムに突入します。岩あり根ありのザイテングラートが標高差1,200m、時間にして3時間以上続くと思ってください。下りなのに上りと同じくらい水分を消費しました。
かくして下山完了時にはTシャツが絞れるほどでしたが、下りるとすぐ駐車場すぐお風呂なのは嬉しいですね。飯豊山荘のお風呂はいいお湯なんですが、シャワーが1つしかないので要注意です。かち合うと大変なことになるのでお気をつけください。
行きは下道12時間、1日目行動9時間、2日目行動8時間のあと下道8時間。初めての飯豊にアドレナリンが出まくってて、あっという間の3日間でした。去年のお盆休みも計画が流れた飯豊、今回1泊でも行けてよかったです。大日岳に行けなかったので再訪はするでしょうが、稜線まではどこでもドアが必要です。
穂高の吊尾根を行くべし
2018.08.04-05 前穂高岳(3,090m 長野県)
はらですぎさんと同じような時間に同じようなルートで同じような写真を撮ってきましたので同じような写真を載せます。
穂高周辺のメジャールートで未踏はこの岳沢〜重太郎新道〜吊尾根だけ。(白出沢はメジャーではない)
上高地から一気に奥穂までテントを担いで行くのは初めてなので、期待と不安が入り混じっております。
岳沢小屋はまさに穂高の懐って感じのところに建ってる。ここまで緩いかと思いきや2時間で600m上がったので普通の登山でした。
岳沢小屋を過ぎると斜度が一気に上がり、四つん這いで登ることが多くなってくる。そのおかげで標高はグイグイ上がります。
紀美子平に到着。かの重太郎はここで紀美子を遊ばせておいて前穂に登ったらしい。「こんなとこで危ねーよ(笑)」という記事のブログを読んだ。想像してたよりは全然広かった。韓国人だらけだったけど。
結構下から見えてた山頂。槍さんともご対面です。CT片道30分て少し厳しめだと思う。
前穂から下りたらいよいよ奥穂に続く吊尾根へ。特に危険には感じなかったけど、地味に辛い。真ん中過ぎまで紀美子平と標高変わらないし、前穂より100m高い所まで登らなきゃならないのに、前穂がなかなか眼下に入らず、遥かに上に見えてメンタルやられます。
楽しくもキツイ岩陵帯ももう少し。ウイニングロードは駆け上がれそうな雰囲気でした。
山頂から山荘へ向かう道すがら、登山道の真ん中で雷鳥タンが砂浴びをしていてしばし通行止め〜(^^)
テント場も確保でき一眠りした後、ガスってた空が赤くなって来たので外に出てみると夕陽が。と思いきやこの後すぐガスりました。
日の入から22時までが天の川チャンスと思っていたので、メシを食いながら空を見上げてると、徐々に晴れてきた。20時過ぎくらいだったかな。隣のテントの方はおやすみモードだったのにガサガサしてすいませんでした。
翌朝はガスでも奥穂に登って行く方々は多かった。涸沢方面へ下りる人はあまりいなかったので気が引けたが、あの天気じゃあねぇ。
と思ってたらすんげー晴れた(笑)
山頂御来光は見れたかな?
涸沢と徳沢以外ノンストップで意外に早く帰れました。
久しぶりに岩稜帯を歩きました。
楽しいですが1年に1回でいいですね。
吊尾根というと前穂から少し下って、なだらかに進んで、奥穂に向けて一気に上るというイメージでしたが、実際は細かいアップダウンが結構ありハードなルートでした。
灼熱の白山はお花の山でした
2018.07.14-15 白山 (2,702m 石川県・岐阜県)
海の日三連休を利用して、なかなか行けない遠征へ。
朝イチにスタートするのは諦め、下山してくる人とタイミングよく入れ替わるつもりで10時ごろに一ノ瀬に着くと、タイミング悪く一番下と思われる辺りで警備員に誘導されてしまった。絶対もっと上で空いてるはずなのにと思いつつも、500mくらいだからいいか~。
一日目は南竜ヶ馬場のテント場までのCT3:30ほど。砂防新道は整備が行き届いていてものすごく歩きやすい。途中に二ヶ所ある避難小屋もトイレ水場完備と至れり尽くせり。睡眠不足で若干ハイになっていたこともあり、皆さんが暑さでヒーヒー言ってる間を縫うように快調に歩いてテント場到着。
テント場はお花畑でそれはもう天国でした。私たちがテントを張ったのはコテージの前でしたが、夕方になるにつれ日陰になるので快適でした。日陰のないところだとツライですね。ずっと日向のテントの横に座ってたおじ様が夕方には真っ黒になっていました。
明るいうちに寝て1時過ぎに起きると、天の川を肉眼で見ることができました。天の川を写真に撮るときはほぼ肉眼でも見えているんですが、ここまでくっきり見えたのは2013年の立山雷鳥沢以来かな。
この日はテント場も満員で、夜中1時とはいえ誰かしらライトを点けて歩いているので、もっと人がいない場所で撮影するべきでした。
翌朝テントを撤収して室堂を目指します。途中の展望台からは北アルプス、乗鞍、御嶽山が雲海に浮かぶ姿が見れました。あっちの混雑具合はどうなんでしょうね。こっちは思っていたより空いてます。
室堂で朝ごはんを食べていると突然ラジオ体操が始まりました。せっかくなのでラジオ体操をして、ザックをデポさせてもらって軽荷で山頂へレッツらゴー。
さくっと山頂に着くので、そのままお池巡りルートへ向かいます。まだ雪が残っていて、雪解け水が神秘的な色をしていたのが印象的です。火口内なので結構ザレてます。
「あの山は何ていう山だろうね」
気持ちのいい稜線歩きができそうな山は別山と言うらしい。今回は行けそうにありませんが、ここに再訪することがあるのでしょうか。せめて室堂を満喫してから下りましょう。
観光新道はニッコウキスゲだらけという情報をいただいていたので楽しみにしていました。想像を超える咲き乱れ方だったので時を忘れて堪能しまくり。基本的に花は興味ありませんが、ここまで主張されると立ち止まらないわけにはいきません。しかし、魚眼レンズでアップで撮った写真がことごとくピンボケ。。
この後、暑さと激下りでかなりの消耗戦となりましたが、120%充実の山行でした。海の日連休で晴れるのも2011年以来か?そしてやはり思うことは、テント場が室堂周辺にあればそりゃもう最高でしょう。
ゆるりと楽しむ八ヶ岳
2018.06.30-07.01 硫黄岳 (2,760m 長野県)
横岳 (2,829m 長野県)
天狗岳 (2,640m 長野県)
桜平からオーレン小屋テント泊で行ってきました。八ヶ岳久しぶり。
1日目はガス多めで微妙な天気の中、硫黄岳と横岳へ。以前は横岳の鎖場をビビっていた奥様も、いつのまにか余裕で通過するようになっていました。
2日目は天狗岳へ。東の空に雲があったおかげできれいに焼けました。
森が朝陽を浴びて黄金色に輝いていました。あまり見たことのない光景だったので、しばし見入ってしまいました。
根石岳山荘から天狗岳手前までは爆風です。天狗岳山頂でのんびりコーヒーを飲んでる方々が見えて、よくこの爆風の中で飲めるなと思ってたら山頂は穏やかでした(笑)
オーレン小屋は駐車場から近くて、トイレはキレイで、水は使い放題でファミリーやテント泊初心者にもオススメなのですが、そのせいかキャンプ場と勘違いしている輩がいたのは残念です。
梅雨前の最高の山歩き 大天井岳&常念岳
2018.06.02-03 大天井岳 (2,922m 長野県)
常念岳 (2,857m 長野県)
このブログのヘビービューワーの方なら「コイツまた大天井かよっ」とデジャヴ感すらある記事になりそうなことを、書き出しで謝罪いたします。
当の本人も年に2回は行ってるような気がするくらい好きです、大天井岳。
北アルプスのシンボル、いや、登山界のシンボルである槍ヶ岳を間近で感じ、裏銀座の山々や立山、はたまた後立山まで、北アルプスほぼ全部見えます。テント場のある大天荘から10分で山頂に立てるのも魅力です。(大天荘の営業は6月後半から)
登山口から遠いのが難点ですが、その景色を見れば長時間歩いた疲れも吹っ飛ぶことでしょう。
過去に大天井岳まで行ったのは全て中房温泉から登っていましたが、燕山荘から大天荘と常念小屋から大天荘、どちらが楽なのか体験してみたかったこともあり、今回は初めて一ノ沢から常念乗越経由で登ってみました。
結果的にはどちらが楽とかはないです。どちらもキツいです。ゴールが最初から見えていても遠いし、ゴールが中々見えなくても遠い。
燕山荘からの場合、ほぼ横移動ですが、小さいアップダウンで地味にジャブを喰らいつつ、最後の上りでノックアウトです。
対して常念からの場合、横通岳と東天井岳が立ちはだかります。基本的にこれらのピークは巻きますが(今回は横通岳に登ってしまった)、それぞれガツンと上ります。地図では東天井岳の西側で直角に曲がるところで大天井岳のひとつ手前のピークが見えますが、そこまでももうひと上りしなければなりません。大天井はその向こう側です。
CTは常念からのほうが長いので気分的にはマイナスですが、今回は一ノ沢ルートで一部雪渓を通ったことで体力に余裕ができました。雪渓がなければ一ノ沢ルートのほうがキツく感じるかもしれません。登山口から小屋までにいかに体力温存できるががその後の稜線歩きに影響が出るのではと思います。
そろそろ梅雨に入ろうかという6月頭。出来過ぎなくらい良いタイミングでテント泊登山ができました。いつもなら帰りは下りるだけのスタイルですが、この天気でそのまま下りるのも勿体無いので常念岳も登ってみたりして。
2017年の夏山シーズンは散々だったので、2018年の夏は当たり年になりそうな予感すら漂う山行になりました。