Now On Summit

主に登山の記憶

冬山シーズン到来→敗退 鳳凰

2014.12.13-14 鳳凰三山

実はこの山には初テント泊登山で行っている。
広河原の白鳳峠から鳳凰を登り、南御室小屋でテント泊。翌日夜叉神に下りるルート。ビール6缶と封筒型の綿入りシュラフを2つ持っていって凄く重かったこと、寒くて眠れなかったことくらいしか記憶がない。
完全にバテていた。

(画像をクリックすると1280×853で見られます。)

1日目
夜叉神P〜夜叉神峠〜南御室小屋(テント泊)
2日目
南御室小屋〜夜叉神峠〜夜叉神P

ビュウウウウゥゥゥ  ゴオオオオォォォ  パラパラパラ〜

吹雪いているのか、風が粉雪を巻き上げているのかわからない。朝3時、雪がテントに当たっている。
こんな中、膝までの雪とはいえ一人で突っ込む勇気も技術もない。撤退だ撤退。
またシュラフに潜りこんだ。





もちろん登頂するつもりでここを選んだ。
前々日にそれなりに雪が降ったようだった。この日も寒気が入っていて、夜叉神峠から見えるはずの白峰三山は一日中雲の中だ。
木々の間から辛うじて甲府方面の景色が見える程度で基本樹林帯。距離も長く体力的にも気力的にもキツかった。
小屋に着くと、前を歩いていた2人組のテントへ向かうトレースと、トイレへ向かうトレースしかなくて驚いた。

「あれー、山頂方面にトレースないじゃん。」

この時点でなんとなく撤退は決めていたが、一応早朝の天気次第ということで。
寒いのでチャチャッとテントを設営し、鍋で身体を温めた。





元々寒さに弱い相方は、昨シーズンまでにある程度鍛えて慣らしてきたが、いきなりのマイナス気温体験記録更新にやる気を持って行かれたようだった。
一応3時に起きてみたものの冒頭のような状況で、とてもテントから出る元気もなかった。





5時前。
目が覚めたら外が静かだったので空を見上げた。森の向こう側に月が出ていたものの、雲は多く星は見えない。
外で冷凍させていた昨晩の鍋の出汁を温めてアルファ米で雑炊を食べて外を見ると、向かい側の森の上の方が赤く染まっていた。

「撤収するか」

動いてないと手足が痛くなる。
気温マイナス17度。
我々が体験した中で最低気温。いよいよこの世界に来ることができた。





「指先は大丈夫?」

「つま先は?」

「今何度?」

こんな会話を何回しただろう。夜叉神峠に戻ると、マイナス2度が暖かく感じた。





揃えた冬山装備の良し悪しもチェックできたし、また次に備えよう。
しかし冬山でテント泊は体力勝負である。鈍った身体を奮い立たせて、歩ける体力をつけなきゃ。
また中途半端な鳳凰になってしまったな。
それはそれで有意義な2日間だった。