Now On Summit

主に登山の記憶

2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 1-2

2016.07.28-31 爺ヶ岳 (2,670m 長野県・富山県
        鹿島槍ヶ岳 (2,889m 長野県・富山県
        五竜岳 (2,814m 長野県・富山県
        唐松岳 (2,696m 長野県・富山県
        白馬鑓ヶ岳 (2,903m 長野県・富山県
        白馬岳 (2,932m 長野県・富山県
        小蓮華山 (2,766m 長野県・新潟県
        乗鞍岳 (2,469m 長野県・新潟県


今年もソロ縦走の季節がやってきました!
去年は行かなかったけど!
候補は3つあり、行きたい順に

1 後立山 扇沢〜栂池
2 三俣山荘ベースに黒部五郎、水晶
3 南アの南部 悪沢〜赤石〜聖の周回

今年はなかなか関東甲信地方の梅雨が明けず、概ね天気が良さそうな南アに対し、北アはガスだの傘マークだの決していい予報ではありませんが、行きたさを優先して後立山を縦走することに決定しました!



(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)

さて、縦走となるとマイカー派の方は、どこに車を駐車する?車の回収方法は?等、いろいろ検討しなければいけませんが、後立山に関してはほぼ全ての登山口にバスが通っているので問題ありません。下山口に自転車をデポするのも有効ですね。
今回私は下山してからすぐ車に戻りたいので、白馬周辺の玄関口である八方に駐車し、始発に合わせて白馬駅まで歩き、電車バスで登山口の扇沢までいきました。八方なら五竜、猿倉、栂池、どこから下りてもバス1本で繋がっているので急な予定変更でも安心です。
ちなみに栂池〜八方〜扇沢なんてバスもありますが、本数が少ないので時間に注意です。


1日目
扇沢7:40〜7:55爺ヶ岳登山口8:00〜12:00種池山荘12:30〜13:40爺ヶ岳14:00〜15:15冷池山荘(テント泊)

2日目
冷池山荘5:30〜7:10鹿島槍ヶ岳8:10〜9:15キレット小屋9:30〜13:00五竜岳13:15〜14:05五竜山荘(テント泊)


計画では冷池泊は決めていて、2泊目以降は行けるところまで行くつもり。でも3日目(土曜日)に白馬泊は避けたいという感じ。


1日目

八方から電車バスで扇沢まで行ってもまだ8時。冷池まで時間的には余裕(なはず)です。雨は降っていませんが、周りの山には重そうな雲が乗っています。


この日は冷池でテントを張るまで景色を見ることはありませんでした。柏原新道は風もなく多湿だったので、歩き始めて10分で汗が絞れるほどになり、体力の消耗も激しい気がします。「歩きやすくて初心者にもオススメ!」なルートらしいですが、私はあまりいいイメージはありません^_^;


途中、また熊に遭いました。今回は大きいので緊張しましたがスルーしてくれました。一応種池山荘の方に報告はしましたが、1日に数件の報告があるそうです。写真中央の黒い物体が熊です。こっちがフリーズしてしまったので、すぐ写真が撮れませんでした。

ようやく種池山荘に到着です。青シャツのおじ様は、同じバスで来て同じようなペースで登っていた方。種池泊で爺ヶ岳ピストンだそうです。少しお話をし、ここでお別れ。


種池山荘を出るとすぐチングルマの綿毛が凄いことになっていました。花の時期にはもっと凄いことになっているんでしょうね。綿毛のほうが好きですが。


稜線は涼しい風が吹き、時々薄いガスが飛んで爺ヶ岳が見えたり見えなかったり。真っ白なガスの中、今回縦走の一つ目のピーク、爺ヶ岳で記念撮影したら冷池山荘を目指します。


冷乗越まで時間の割に思っていた以上にキツく、山荘に着いてまず生ビールを頼みました(笑)小屋とテント場は離れていて、崖っぷちを通るので危ないと聞いていましたが、迂回路が作られていました。ありがとうございます。
テント場まで上がると、同じ時間に扇沢をスタートした若者(G大阪長谷川健太監督似)がのんびりしており、13時頃に着いたとのこと。早い!健太も3泊で栂池を目指しているので、同じルートを歩こうとしているのは間違っているのではないか、やはり鑓温泉で下りるのが妥当なのではないか、いろんな不安が入り交じります。
テントは8張りほど。夏山シーズンとはいえ平日のテント場は空いていて最高です。うたた寝をしたら少し晴れて爺ヶ岳が姿を現しましたが、その後は夜にかけて雨。予報通りでした。



2日目

3時に起きると外は真っ白。どうしようかなーとうだうだ考える。停滞しても構わないけれど、とりあえずトイレに行こう。あれ?雨降ってるじゃん。マジかー。カッパを羽織って小屋まで往復すると雨も止み明るくなってきた。荷物をまとめた頃には晴れて、鹿島槍立山剱もバッチリ見える。良かった、行ける。


途中の布引山あたりでガスが上がってきて焦ったけれど、鹿島槍山頂では最高の天気になった。低い稜線では雲海が溢れていた。当然キレットは雲海に飲み込まれていて、その雲を抜けた向こう側の五竜山頂でまたこんな景色が見られたらいいなぁと思っていた。
南峰から北峰へ向かう下りはかなり険しい。西穂独標から上のような雰囲気すらあるのでは。北峰へ登り吊尾根分岐でエネルギーを補給したら、いざキレットへ突入です。


地図には吊尾根分岐からキレット小屋までCT2:00と書いてありましたが、0:50で到着してしまい拍子抜けです。両手両足を使うような多少緊張感のある箇所は疲れ知らずで歩けてしまうんです。逆に足のみを使う何でもない登りがキツくて。クライマーでもなく普通登山の人なんですけどね。

ちなみに「八峰キレット」の読み方は
誤 やつみねキレット剱岳のは八ツ峰)
誤 はっぽうキレット
誤 やっほうキレット
正 はちみねキレット


噂通り凄い所に建っているキレット小屋では健太が休んでいました。核心部でかなり時間を巻いたので追いつきましたが、健太は先に出発していきました。
こちらは水を補給してポンジュースをぐい飲み。連泊縦走だとビタミン摂取も大事です。キレット小屋は鹿島槍ヶ岳五竜岳の間にありますが、距離的には真ん中ではなくまだ1/4ほどしか進んでいません。先は長いです。


五竜の取り付きまでに何度もアップダウンがあり、1時間以上歩いても標高が上がらないジレンマが続きます。


いよいよ五竜岳G5へ登りが始まります。ザレているのでゆっくり行きましょう。


このルートを検索するとG5G4はどこだかわからなかったという方も多いようですが、「時計の針のように矢印がペイントされている、座るのにちょうどいい岩」があるところがG5です。


G5を過ぎてからナップサックを背負った身軽な方が下りて来ました。時間は12:30過ぎだったかな。どこまで行くのか尋ねたら「五竜山荘に荷物を置いて五竜に登ったから五竜山荘まで帰るところ」と言う。いやいやいや、五竜山荘は五竜の向こう側ですよー。こっちは今五竜岳に登ってるんですよー。山頂手前の分岐を間違えてキレット方面に下りてきてしまったんですね。当人は「あれー?雰囲気似ているから全然気づかなかったー!いやね、登って来た時もホントこんな感じのとこだったんですよー。」わかったから登れよ、とは心の声です(笑)
そんなこんなでG4に登っていると思ったら山頂手前の分岐に着いてしまって結局G4はどこだかわからず。すると先程の方がいて「じゃ、山荘でビールでも!」と言って下りて行ったが、もう会うことはありませんでした(笑)
分岐には案内標識がこれでもかと立っていたけれど、これでも見落とす方もいるんだなぁと。


雲を突き抜けていて欲しいという願いは叶わず山頂はガスの中で、ポツリと雨が落ちてきているような気もするが気のせいだろう。先程の方が言っていたように、分岐直下は険しかったけど…わかるよなぁ。


五竜山荘には14時頃に到着しました。この日、唐松まで行ければ翌日に白馬のテント場を避けて白馬大池まで行ける予定でした。もう少し早出すればよかったのですが、体力的に厳しそうなのと夕立の可能性を考えて五竜山荘でテントを張ることにします。

五竜のテント場に健太の姿はありません。唐松まで行ったのでしょう。


2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 3-4に続く