Now On Summit

主に登山の記憶

2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 3-4

2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 1-2はこちら


微妙な天気の中、3泊4日で栂池を目指して歩いてます。



(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)

3日目
五竜山荘3:40〜5:45唐松頂上山荘5:55〜6:15唐松岳6:30〜10:05天狗山荘10:35〜11:35白馬鑓ヶ岳11:40〜13:30白馬頂上宿舎(テント泊)

4日目
白馬頂上宿舎4:00〜4:30白馬岳4:40〜5:40小蓮華山5:40〜6:40白馬大池7:00〜7:20白馬乗鞍岳7:20〜8:45栂池高原



3日目

この日は唐松岳〜不帰キレットを越えて、最低でも白馬頂上宿舎までは行きたい。気分次第で鑓温泉もアリだけど、天狗山荘に10:00までに着いたら白馬大池まで行こうと3:40にヘッドランプを点けて出発します。 唐松〜五竜は2014年に歩いているのですが、唐松山荘に近い牛首という岩場以外あまり記憶にございません。樹林帯に入ったり小ピークに登ったり、こんなにアップダウンがあったんだなという印象です。暗くて相変わらずのガスの中でも時々唐松岳らしき山が見えるので、近づいている実感はあり、牛首を登って山荘が見えるとホッとします。

夏前にtwitterでフォローさせて頂いた方が何故か山岳警備隊になり唐松山荘にいるっぽいので、ご挨拶できたらなーと思っていたらすぐに実現できました。山荘前で記念撮影パチリ!

何となくガスが取れてきたので今のうちに山頂を踏んで先を急ぎます。山頂から先は不帰ノ嶮(かえらずのけん)というキレットなので、この旅2回目のヘルメットを装着し気合を入れます。

まだ早い時間ですが、すれ違いの方が結構いました。2峰を超えると1峰までの急峻な上りが見えますが、憂鬱なのがその奥に見える「天狗の大上り」、標高差300mを一気に登ります。不帰ノ嶮を通過し天狗の大上りに差し掛かるところでエネルギーチャージしました。

息も絶えだえ300mを登りきると遠くに雪渓が見えたので、おそらく天狗山荘もあそこだと張り切りますが、見た目以上に遠くて萎えます。天狗山荘には雪渓の雪解け水場があり飲み物がキンキンに冷やされていて、思わずコーラを購入。美味かった!頼んだ牛丼もかなりポリューミーでしたが何とか完食。白馬大池までの活力になります。

天狗山荘をスタートしてすぐ、少し成長した子ライチョウに会いました。ここまで他の登山者の方から目撃情報は聞いていたものの会えずに、2年振りくらいに会ったライチョウは望遠レンズに付け替えてる間も隠れずに居てくれました。

鑓温泉への誘惑を過ぎると真っ白な白馬鑓ヶ岳です。ザレた白い斜面をひたすらつづら折れに登り、気付いたら山頂へ直登してました。山も白いですが、それ以上に空が真っ白です。

白馬鑓ヶ岳を下り始めると急に暗くなり風も冷たくなりポツポツと雨が降り始め、すぐに本降りになりました。カメラを濡らすワケにはいかないのでドライバッグに入れザックの中へ。当然ですが杓子岳は巻きます。

なのでしばらく写真は無く、次の写真がコレ。雷も鳴ってたので仕方なく混み混みの白馬のテント場で幕営。この後降ったり止んだり。明日は最終日、好天に期待するしかありません。
これだけ人がいると健太(※同日程で同じルートを歩いているG大阪長谷川健太監督似の若者)がいるのかいないのかわかりませんが、雨の中、白馬大池まで行ったのかもしれません。

夜中ふと目が覚めて空を見るとなんと天の川が見えているではありませんか!予想外のことだったので急いで星を撮りました。薄っすらガスが掛かってますね。もう少し早く目が覚めればよかったんですが、これでも山の上で見る星空は最高です。


4日目

テント場から、頂上宿舎から、白馬山荘から、山頂ご来光を目指して大勢の方が登っていきます。ご来光は下山ルート上から見えそうだったので頂上は写真だけ撮ってそそくさと下山開始します。

しばらくして富山側からガスが上がってきて、完全に閉ざされる前に日が昇りました。この旅初のご来光です。ぼんやりしてますがこれはこれでいい感じです。山頂にいた大勢の方々はガスのないご来光は見れたのでしょうか。

小蓮華山を過ぎるとガスが晴れて鹿島槍ヶ岳までの稜線が見えてきました。あそこから幾つもの頂を越えてここまで歩いてきたと思うと、込み上げるものがあります。

完全にいい天気になりました。雲海も見えて稜線もバッチリ。これから登る方は羨ましい限りです。

白馬大池でザックをおろして休憩しつつ人間ウォッチング。幼稚園から小学校低学年くらいの子供が多いですね。こんな天気にこんな素晴らしい景色の中、お泊りができたら山が好きになっちゃうだろうなーと思っていたら男の子が泣いていました。山岳警備隊の方に「泣いてても家に帰れないぞ。」と発破を掛けられ、お母さんと手をつなぎ白馬岳方面に登っていきました。山頂まで行けたかな?

乗鞍岳周辺は大きな岩の上を大股で歩く場面も多いので足にきますね。しかしこれが最後のピーク。あとは下るだけで旅は終わります。

大きな岩がゴロゴロしている急斜面を飛び跳ねるように下っていたら、見覚えのあるゼロポイントのデカザック。そうです、健太です。
「おー君はもしや!」
2日ぶりの再会でした。聞くと、やはり彼は2日目に唐松まで行っていましたが、3日目に私が唐松山荘に着いた時間にはまだ出発していなかったようです。おそらく私が白馬でテントを張り終えてマッタリしていた頃、雨も止んできたので白馬大池まで進んだようです。

そして感動のゴール!お疲れ様!
ホッとする反面、終わってしまった寂しさもあり複雑な気持ちになりました。

栂池パノラマウェイのロープウェイに爺ヶ岳から船越ノ頭までの稜線の写真が貼ってありました。
「これ、全部歩いたんだ。」 「幸せすぎるね。」
ゴンドラを降りて健太とはガッチリ握手をして別れました。
「またどこかの山で!」

途中ほとんどガスの中だったけど、撤退を余儀なくされるような悪天候にならず、ケガもなく無事に歩き通せました。
この山旅を快く送り出して見守ってくれる妻と、この山旅で出会った全ての方、この山旅を支えてくれた全ての方に感謝します。
ありがとうございました!!