冬季初登頂の薬師岳(鳳凰山)
2019.02.16-17 薬師岳(2,780m 山梨県)
登山歴は10年を少し超えたくらいになるが、今回の山行は過去最大のピンチに見舞われた。まだ序盤で腹を下してしまったのである。
夜叉神駐車場から南御室小屋までは5時間半ほどの道のりでそのほとんどは樹林帯という中々シビれるルートで、半分も行かないうちに荒波が打ち寄せ、その後、小屋に着くまでに幾度となく襲いかかる荒波と対峙するはめになってしまった。
そんなことをしてるうちに手持ちのペーパーも使い切ってしまい、普通なら撤退だが、たまたま今回は同行していたツイッター繋がりのL氏が新品のペーパーを持ち合わせていて、ありがたく使わせていただいた。さらにL氏には正露丸も頂き、感謝しかない。
幸いなことに腹は下すが痛みは無かったため、なんとか小屋にたどり着くと、小屋は営業していないが冬季トイレがあるではないか。いくら人が少ない時期やルートであっても、トイレが有るのと無いのでは安心感と緊張感が違う。冬季は外トイレが使えなくなる小屋が多い中、非常に助かったのでチップも余計に入れさせていただいた。
南御室小屋に来たのはこれで3回目になるが、あまりいい思い出がない。
1度目はテントを購入して初めてのテント泊。広河原から白鳳峠を経由して鳳凰三山を縦走した後に到着したが、余計なものを持ってたり各ギアの軽量化もままならず、とにかく荷物が重すぎて観音岳あたりからの記憶はない(笑)
2度目は夜叉神からの雪山テント泊。強風のため小屋から上にはいかなかったが、前日に爪を切ったら指先が痛くてチャックを閉めるのも一苦労するほどだった。この一件以来、雪山前には爪は切らないようにしている。
そして今回のコレである。今後ますます足が遠のきそうな思い出だが、変化に富んだ花崗岩が織りなす特殊な山頂は好奇心をくすぐり、目の前に連なる白峰三山のどっしりと構えた姿のインパクトは絶大であった。
ルート上は難しい箇所もなく天候に恵まれたこともあるが、何よりお腹が大事に至らず無事下山できたのはL氏の協力のおかげであった。ありがとうございました。