Now On Summit

主に登山の記憶

山頂に 立ってナンボの 平標山

2016.02.28 平標山 (1,984m 群馬県新潟県


前日の阿寺山から下山して、六日町IC横のイオンで買出しと、宿場の湯でお風呂をいただき、火打峠トンネル横の駐車スペースでテント泊。今回は平標山の登頂を目指します。
一番にスタートしようと準備してたら車が1台。2名のボーダーが先にスタートしていった。




(画像をクリックすると1920×1280で見ることができます。)

火打峠P〜ヤカイ沢左岸〜支尾根〜平標山〜松手山〜鉄塔〜火打峠P



林道は一番奥の建物の前まで除雪されていた。その先は締まった雪道なのでそのまま進む。
前を歩くボーダーがヤカイ沢のほうへ入っていった。後を追う。ちなみにヤカイ沢のルートは積雪期専用ルートです。

まっすぐ行くと夏道。左に上がるとヤカイ沢左岸ルート。

途中でボーダーの2人を追い越す。年齢的には少し先輩な感じ。この年代の方々でスノーボード、しかもBCとなれば相当なベテランさんであろう。(予想)
前日までのトレースがあるので迷うことはないが、トレースは取り付く予定の尾根に行かずにまだ沢沿いに続いている。アイゼンを履いてノートレースの尾根に突っ込むべきか。するとボーダーの2人はトレース通りに登っていった。また後を追う。

山頂が見えている。稜線は風が強そうなので、帽子を脱いでバラクラバに変更。


ボーダーの2人が休憩していたのでお先に行かせてもらうが、この辺りから急登になり、前日に引き続き秘技牛歩。もうすでに足もパンパンなのです。
ボーダーの2人とはずいぶん間が開いたのは確認していたはずなのに、尾根が近づいてくると別ルートでアプローチ。気付けば抜かされていた。歩幅が倍ほど違う。

前日までのトレースが風で消えかかっている。
中にはボードで下ったトレースもあるので、それに乗ると多少なりとも沈む。
トレースの両脇にストックのトレースがあるのが登りのトレースだ。
今回一つ学習したこと。


支尾根に上がった。雪庇が張り出しているが、全然小さいらしい。このエリアの積雪期限定ルートはどこもこんな雪庇の上を歩くルートだ。テントを持って歩きたい。
雪庇の尾根の先に苗場スキー場。
苗場山は遥か右。

尾根には前日のトレースより少しだけ下に出たので、ノートレースの雪庇上を歩く。アイゼンがザクザク効いて気持ちがいい。
どう見ても小さい雪庇。
雪庇が崩れる心配は少なそうだが。

前日のトレースと合流した後、国境稜線と合流。思ってたほど風はないが、足元はアイスバーンになっていた。


眼下に山ノ家、その先は大源太山を経て三国山へ。
昨シーズン三国峠からここまで来ようとしてた。
火打峠に下りてもバスが繋がっていない為ピストンするつもりだった。
遠いなぁ。

仙ノ倉山とご対面。雄大である。
ザクザク歩きながら頂上を目指しているつもりだが、実際のリズムは・・・・・・ザク・・・・・・ザク・・・・・・ザク・・・・・・ふぅ・・・・・・くらい。

ここの斜面も例年の積雪ならツルンとするくらい積もるのかな。



最後の力を振り絞る。

今なら山頂一番乗りだと思った瞬間、どこからともなくスキーヤーが現れて颯爽とお抜きになっていかれた。
またしてもスキーヤー恐るべし。


平標山頂に到着。
頑張った甲斐があった。360度絶景。やはり山は山頂に立ってナンボだなと思った。
エビの尻尾が凄いことになっている。
憧れの東谷山〜日白山〜タカマタギ
この週末はここに行く予定だった。
右から一ノ倉岳、茂倉岳。
左奥が馬蹄形朝日岳の辺り。
その手前、岩が黒々してるのは武能岳かな。
手前から仙ノ倉、万太郎山。
雪煙が舞っているのは谷川岳
左中央荒沢山からシシゴヤノ頭までの稜線。
奥はいつか行きたい巻機山からの国境稜線。
平標山ノ家、大源太山(上越マッターホルンじゃないほう)

絶景を楽しんでるとだんだん賑やかになってきたので、松手山ルートから来た方にルート状況を聞くと、「全然雪ないよ(例年に比べて)」とのこと。まあ来た人がいるんだから行けるよね。


下り始めてすぐ、ゴーグルをした若者がすごい勢いで登ってきた。
彼がアイゼンを履いていたので、自分もそのままアイゼンで。

下りは本当に速い。そんなに速く歩いてるつもりもないのに速い。あっという間に景色が変わる。
仙ノ倉山も見納めかしら。

ここまでパッと見、スキー・スノーボード以外の登山者の足元はスノーシュー4人、アイゼン2人(自分含)。前日、スノーシューのラッセル能力をまざまざと見せ付けられて、スノーシューの人が言う「雪がない」は話半分で聞いていた。
たしかに雪は無い。
こんな夏道が出ているところも。

それでも沈むところはスネくらいまで沈む。さっきの若者はずっとアイゼンで来たようだが、山頂手前であの力強さ。このくらいのラッセルなんて屁でもないのだろう。
ヘタレおじさんはワカンにチェンジ。
松手山周辺の尾根は今回のルートでは最大級の雪庇。

松手山を過ぎると激下りになる。たいがいどこ行っても上りと下りでルートを変えると、下りのルートはキツそうに見えるものである。今回もまた然り。
激下りの途中、アイゼンに変えようと立ち止まると、自慢のラチェット式ワカンが壊れていた。
壊れた部分は加工した金具ではなく、樹脂ベルトの輪の断裂。
ワカンという大きな抵抗が樹脂ベルトにかかる負荷は軽アイゼンの比ではないということか。

そうこうしてるうちにゴーグルの若者が下りて来た。早っ。
こっちは長く感じているこのルートに嫌気が差しているというのに

「標高差1000は大変ですよね〜」

と言って消えていった。なんともスゴイ。



赤-----今回のルート
紫-----登るつもりだった尾根
黄-----この尾根で行けば楽なんじゃないかな。今回トレース見当たらず。
※手書きです