Now On Summit

主に登山の記憶

四阿山から根子岳まで定番周回中にまさか!?

2016.07.10 四阿山 (2,354m 長野県・群馬県
       根子岳 (2,207m 長野県)


そこそこ遠いわりにテント泊ができないという理由で、行く機会を逸していた四阿山。いろいろな条件が重なってようやく行けました。そろそろ本格的に夏山シーズンも始まるので、体力作りも兼ねて荷物重めで行きますが、今夏は月イチで登山出来れば御の字です。


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菅平牧場P〜中四阿〜四阿山根子岳〜菅平牧場P


予定より小一時間ほど寝坊したので駐車場の混雑具合が心配でしたが、7時半の時点で2段目の駐車場に停めることができました。3段目もあったのでだいぶ余裕だったようです。


牧場を回り込み四阿山登山口から登り始めます。鈍った体に優しい傾斜の登山道で嬉しいですね。

牧場沿いから外れ、沢を渡った辺り、まだスタートして30分も歩いていないけど、この日最大の事件が発生です!

なんと50〜60センチほどの小熊と並走?並歩?しました!!

妻が「わーわーわー」と言うので指を指している方向を見ると、3m先の茂みの中にヤツがいました。進行方向右手にいたヤツは、そのまま真っ直ぐ登って消えましたが、登山道はその先を右へ回り込んでいたので、もしそのまま気づかずに歩いていたら、バッタリ出くわしていたかもしれない。しかも小熊がいるということは…と、急に心配になって辺りをキョロキョロ、鈴も鳴らしまくりで何事もなく通過しましたが中々貴重な事件でした。


樹林帯にも所々開けた場所があって北アルプス方面が見渡せます。この日は雲がもくもくと湧いていたものの、北アルプスはほぼ頭を出していました。根子岳方面も開けると熊笹の斜面が見えます。とても気持ち良さそうな斜面で、まだ四阿山も登っていないのにその中を歩くことしか考えなくなりました。


かと言って四阿山をスルーする訳ではないのです。分岐から山頂まで0.7kmと書いてありましたが、そんなに距離も感じず、植生保護の階段を登ればすぐ山頂でした。草津方面、妙高とか雨飾山等が見えてるはずですが何処が何処だか分からないままコーヒーでひと休みです。


さて、お楽しみの根子岳熊笹道へ向かいます。ところが分岐からコルまで標高差300mほどの鬼下りが待っていました。これがまた泥濘と木の根の下りで、細心の注意を払ってスリップしないように下り、一気に疲れます。


コルに出るとそれまでの鬼下りとはガラッと変わって天国ような登りが始まります。


やっほーい♪こんな所を歩けるなら登りなんて苦ではない…なんてことはないです。


しかし逆ルートだと天国下りの後の鬼登りかと思うと、このルート順で良かったと思うがいかがでしょうか。


少し登って振り返ると、無加工でこのミニチュア感がとても面白いです。


根子岳山頂は広く、祠と山座同定盤がありましたが山頂標は見当たらず、またしばし休憩して下山しました。


程よい疲労感と充実感で熊のことなんかすっかり忘れて帰ってしまったので翌日に電話で報告しました。最近各地で熊の目撃情報はよく目にしますね。熊鈴がどれ程効果があるのかわかりませんが、それなりの準備をして登山をしたほうが良さそうです。

リハビリ登山 蝶ヶ岳

2016.05.28-29 蝶ヶ岳 (2,677m 長野県)



2か月近く空いてしまった。
鈍った身体に北アルプス


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1日目
三股〜蝶ヶ岳〜蝶槍〜蝶ヶ岳(テント泊)

2日目
蝶ヶ岳〜三股



思いっきりのんびりしよう。


蝶ヶ岳はテント場から山頂まですぐだし、広いし、絶景だし。
ゴロゴロして、ぶらぶらして、食べて飲んで。



選んだ写真を見て思った。穂高より槍なんだなと。
遠くの山頂から探すのも槍だし、自分にとって北アルプスのシンボルは槍ヶ岳
間違いない。



予報通り、夕方から晴れてきた。
あまりにも一気に晴れ渡る空をみて、みなさんザワザワ。



夏だと人が多かったり、テントの中も外も暑かったりで、何かと窮屈になりがちだけど、今日は天気も混雑具合もベストコンディション。



少し前に替えたカメラに新しいレンズを追加して、ようやく失敗が減ってカリカリな写真が撮れるようになってきた。
よ〜し、撮りまくるぞ〜。



この時期は雷鳥さんたちが卵を産んでオスが見張ってることが多いはずだが、今回も遭遇せず。雷鳥さんを見れないアルプス山行継続中。



夏に向けて体を慣らしていかないとね。
と言っても、大した予定はありません。


憧れの会津駒ヶ岳まで魅惑の稜線を

2016.04.02-03 三岩岳 (2,065m 福島県
        大戸沢岳 (2,089m 福島県
        会津駒ヶ岳 (2,133m 福島県


Wikipediaによると日本には駒ヶ岳が20もあるらしい。自身5つ目の駒ヶ岳でした。
箱根にもあるんだね。もしかしたら子供の頃に登ってるのかも。



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1日目
沢登山口=(バス)=小豆温泉〜国体コース〜三岩岳(テント泊)

2日目
岩岳〜2057ピーク〜大戸沢岳〜会津駒ヶ岳〜滝沢登山口



テント泊です。重いです。いきなり標高差1,300mもあります。
バスを降りてスタートしたのが10時前。今日は16時リミットで行ける所まで頑張る。




珍しく定期的に休憩を挟みつつ稜線を目指すも、最初の意思表示とは裏腹に限界は早そうです。
穏やかな稜線でどこでもテントは張れそうなので、翌日のことも考えると三岩岳を越えて1つくらいはピークを越えたいところですが、三岩岳で限界。マジ限界。15時半に直下の広場でテントを設営しました。歩行時間は約6時間。




夜は少し風が出ていたが満点の星空だった。久しぶりに見る山での星空は改めて稜線テント泊の醍醐味を味わわせてくれた。
新しいカメラで撮ってみたが電池が無くなったら困るので、いろいろと設定をを試すこともなく、なんとなく撮れる事だけ確認してやめた。

朝は空に雲が張り付いているようだった。午後から崩れる予報だったので、このまま曇りでもいいから下山までもってくれないかな。
しかし雲の隙間からご来光も見え、白い山々が赤く染まる。期待しちゃうぞ。



そこそこ締まってるが足首くらいまで沈む雪質。最初から最後までずーっとこんな感じで、稜線に足跡を付けてきた。



いくつかアップダウンを越える頃には天気は回復し、忘れかけていた縦走の苦しさと楽しさを思い出すと、あとは駒ヶ岳まで緩い上りになる。
前方には駒ヶ岳、右にはまだまだ白い北側の山々。何一つ山名がわからないが、この景色は中毒性がある。やっぱ残雪期はコレだな。



逆ルートで歩いてる人がいるのかと思っていたら、誰ともすれ違わなかったので今日の一番乗りかな。前日の賑やかさは山頂に残された足跡たちが物語っていた。



5時に三岩岳を出発し、9時に会津駒ヶ岳に登頂、12時下山。歩行時間は約7時間。
二日間トータルで約13時間の残雪山歩きでした。

ここ何回かの山行は天気に恵まれ、気持ちよく今シーズンの雪山を終えることができます。
今シーズンは雪が少ないと言われていたので混雑を避けてメジャーなルートには行かなかった結果、いろいろな新しい発見と充実した雪山歩きができました。
特に積雪期限定ルート、と言ってもほぼ残雪期限定ですが。僕が求めていた雪山はアルパイン的なものではなく、こういうものなのかなと気付かせてくれた「ブナの沢旅」のakoさんに感謝!

快晴の乗鞍岳をゲットしました

2016.03.21 乗鞍岳 (3,026m 長野県・岐阜県


初めての乗鞍。
行くなら冬(積雪期)と決めていて、ようやく好天のチャンス到来。できればテント泊してのんびりしたいところだが、まあ次回の楽しみということで。




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休暇村P〜ツアーコース〜朝日岳のコル〜乗鞍岳朝日岳のコル〜ツアーコース〜休暇村P



ゲレンデトップまで上がると人がいっぱい!登ってる人も準備してる人もいっぱい!
BC率も高そうです。今日は私もBCヒップソリ。


スノーシューのツアーコースを登る。
上がるわ〜。
穂高が見えてきた。

この辺りまで妻が絶不調でかなりのスローペース。
「ここを登れば穂高が見えるかも!」と、だましだまし連れてきて本当に見えたところで休憩し、食べ物を補給したら元気回復。
よかった!

大雪原。
滑りたくてケツがウズウズします。
ショートカット。急登でした。
すっかりエビの尻尾が落ちてしまった乗鞍本宮奥宮の鳥居。
さすがに山頂は強風で寒いです。
途中で引き返そうとしていた妻と登頂の喜びを分かち合います。

360度の展望が広がっていますが周りの山が見慣れない角度でして、山座同定は心の中だけにしておきました。



富山方面は雲海。いい日に行けてラッキーでした。
下りはヒップソリで。
ほぼアイスバーンなので、相当緩いところじゃないと怖くて滑れませんが
相当緩くなってからも長いので500mほど楽しめました。


予報通りの快晴でルートも歩きやすく、雄大な山歩きは素晴らしかった。前半は体調が悪く撤退ムードもあった妻も、「こんないい天気の日に撤退はもったいない。小屋までは頑張る!」からの登頂で嬉しさもひとしおでした。


※ソリがあればかなりのロングランが楽しめると思います。
ですが、アイゼン付けたまま滑走すると、滑走中にアイゼンが雪面に触れて足を取られて怪我をする場合もあるので外したほうがいいです。この日、ソリではありませんがアイスバーンのショートカットルートで滑落して骨折した方がヘリで運ばれていました。
注意して楽しみましょう。

もう春の陽気 コマノカミノ頭

2016.03.05 コマノカミノ頭 (1,464m 新潟県


二週連続で上越に来ました。
ここはTwitterのフォロワーさんが以前行っていた積雪期限定のルートで、いくつかある稜線上のピークうちの一つ。3月頭とは思えない重い雪に苦戦するも素晴らしい景色に出会えて大満足でした。



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安全登山の広場P〜蓬沢〜コマノカミノ頭〜蓬沢〜安全登山の広場P


積雪1mほど。やはり少ないんだろうな。
さて、どこを登ろうか。
自分たちのトレースのみ。
.


ヤマレコで一週前にこの尾根を登ってシシゴヤノ頭まで行ったレコを見たが、トレースは見当たらない。仕方ないので2人で頑張ってみた。



気付いたらこんな急斜面。
今日は一人じゃないので頼もしい。


稜線に上がる直前にテント装備で稜線から下りて来た方がいた。荒沢山から縦走してきたらしい。足拍子岳はアルパインな山だと何かで見たけど、普通の縦走登山者だったな。



クリームパンのような雪庇。食いつきたい。
堪らん。
蓬ヒュッテが見えてる。
気持ちいい!


稜線に出てからコマノカミノ頭まで往復40〜50分。山頂にはこれと言って何もなく、さっき会った方のトレースも、立ち止まった様子もなかった。



あまりパノラマ写真は撮りません。
登ってきた至高の稜線。
気温も上がってズブズブな林道歩き。


どんどんこのエリアにのめり込む自分がいる。
それも悪くないだろう。

山頂に 立ってナンボの 平標山

2016.02.28 平標山 (1,984m 群馬県新潟県


前日の阿寺山から下山して、六日町IC横のイオンで買出しと、宿場の湯でお風呂をいただき、火打峠トンネル横の駐車スペースでテント泊。今回は平標山の登頂を目指します。
一番にスタートしようと準備してたら車が1台。2名のボーダーが先にスタートしていった。




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火打峠P〜ヤカイ沢左岸〜支尾根〜平標山〜松手山〜鉄塔〜火打峠P



林道は一番奥の建物の前まで除雪されていた。その先は締まった雪道なのでそのまま進む。
前を歩くボーダーがヤカイ沢のほうへ入っていった。後を追う。ちなみにヤカイ沢のルートは積雪期専用ルートです。

まっすぐ行くと夏道。左に上がるとヤカイ沢左岸ルート。

途中でボーダーの2人を追い越す。年齢的には少し先輩な感じ。この年代の方々でスノーボード、しかもBCとなれば相当なベテランさんであろう。(予想)
前日までのトレースがあるので迷うことはないが、トレースは取り付く予定の尾根に行かずにまだ沢沿いに続いている。アイゼンを履いてノートレースの尾根に突っ込むべきか。するとボーダーの2人はトレース通りに登っていった。また後を追う。

山頂が見えている。稜線は風が強そうなので、帽子を脱いでバラクラバに変更。


ボーダーの2人が休憩していたのでお先に行かせてもらうが、この辺りから急登になり、前日に引き続き秘技牛歩。もうすでに足もパンパンなのです。
ボーダーの2人とはずいぶん間が開いたのは確認していたはずなのに、尾根が近づいてくると別ルートでアプローチ。気付けば抜かされていた。歩幅が倍ほど違う。

前日までのトレースが風で消えかかっている。
中にはボードで下ったトレースもあるので、それに乗ると多少なりとも沈む。
トレースの両脇にストックのトレースがあるのが登りのトレースだ。
今回一つ学習したこと。


支尾根に上がった。雪庇が張り出しているが、全然小さいらしい。このエリアの積雪期限定ルートはどこもこんな雪庇の上を歩くルートだ。テントを持って歩きたい。
雪庇の尾根の先に苗場スキー場。
苗場山は遥か右。

尾根には前日のトレースより少しだけ下に出たので、ノートレースの雪庇上を歩く。アイゼンがザクザク効いて気持ちがいい。
どう見ても小さい雪庇。
雪庇が崩れる心配は少なそうだが。

前日のトレースと合流した後、国境稜線と合流。思ってたほど風はないが、足元はアイスバーンになっていた。


眼下に山ノ家、その先は大源太山を経て三国山へ。
昨シーズン三国峠からここまで来ようとしてた。
火打峠に下りてもバスが繋がっていない為ピストンするつもりだった。
遠いなぁ。

仙ノ倉山とご対面。雄大である。
ザクザク歩きながら頂上を目指しているつもりだが、実際のリズムは・・・・・・ザク・・・・・・ザク・・・・・・ザク・・・・・・ふぅ・・・・・・くらい。

ここの斜面も例年の積雪ならツルンとするくらい積もるのかな。



最後の力を振り絞る。

今なら山頂一番乗りだと思った瞬間、どこからともなくスキーヤーが現れて颯爽とお抜きになっていかれた。
またしてもスキーヤー恐るべし。


平標山頂に到着。
頑張った甲斐があった。360度絶景。やはり山は山頂に立ってナンボだなと思った。
エビの尻尾が凄いことになっている。
憧れの東谷山〜日白山〜タカマタギ
この週末はここに行く予定だった。
右から一ノ倉岳、茂倉岳。
左奥が馬蹄形朝日岳の辺り。
その手前、岩が黒々してるのは武能岳かな。
手前から仙ノ倉、万太郎山。
雪煙が舞っているのは谷川岳
左中央荒沢山からシシゴヤノ頭までの稜線。
奥はいつか行きたい巻機山からの国境稜線。
平標山ノ家、大源太山(上越マッターホルンじゃないほう)

絶景を楽しんでるとだんだん賑やかになってきたので、松手山ルートから来た方にルート状況を聞くと、「全然雪ないよ(例年に比べて)」とのこと。まあ来た人がいるんだから行けるよね。


下り始めてすぐ、ゴーグルをした若者がすごい勢いで登ってきた。
彼がアイゼンを履いていたので、自分もそのままアイゼンで。

下りは本当に速い。そんなに速く歩いてるつもりもないのに速い。あっという間に景色が変わる。
仙ノ倉山も見納めかしら。

ここまでパッと見、スキー・スノーボード以外の登山者の足元はスノーシュー4人、アイゼン2人(自分含)。前日、スノーシューのラッセル能力をまざまざと見せ付けられて、スノーシューの人が言う「雪がない」は話半分で聞いていた。
たしかに雪は無い。
こんな夏道が出ているところも。

それでも沈むところはスネくらいまで沈む。さっきの若者はずっとアイゼンで来たようだが、山頂手前であの力強さ。このくらいのラッセルなんて屁でもないのだろう。
ヘタレおじさんはワカンにチェンジ。
松手山周辺の尾根は今回のルートでは最大級の雪庇。

松手山を過ぎると激下りになる。たいがいどこ行っても上りと下りでルートを変えると、下りのルートはキツそうに見えるものである。今回もまた然り。
激下りの途中、アイゼンに変えようと立ち止まると、自慢のラチェット式ワカンが壊れていた。
壊れた部分は加工した金具ではなく、樹脂ベルトの輪の断裂。
ワカンという大きな抵抗が樹脂ベルトにかかる負荷は軽アイゼンの比ではないということか。

そうこうしてるうちにゴーグルの若者が下りて来た。早っ。
こっちは長く感じているこのルートに嫌気が差しているというのに

「標高差1000は大変ですよね〜」

と言って消えていった。なんともスゴイ。



赤-----今回のルート
紫-----登るつもりだった尾根
黄-----この尾根で行けば楽なんじゃないかな。今回トレース見当たらず。
※手書きです






BCスキーヤー恐るべし 阿寺山

2016.02.27 阿寺山 (1,509m 新潟県


あでらやま。
BCスキーヤーの間で人気の山らしい。最近知った。登山するには時期的に早いような気もするが、この週末はテントは控えて日帰りの山を探していたらここになった。標高差1100mほど。なかなかのもんですぞ。




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広堀橋P〜山頂直下雪原〜広堀橋P

最初は林道?
先行者はボードを背負ったスノーシューの2人。と思っていたらあっという間にスキーヤーに抜かれた。

あの黒い森の尾根をひたすら登っていけば頂上のはず。

次々とスキーヤーが登ってきて、次々と追い抜いていく。
藪っぽいところでは大変そうだが、スキーヤーの登りは速い。


中央奥のデコボコが八海山の八ツ峰、右の凛々しい山は五竜岳


急斜面ではスキーは直登できないため、ジグザグに登っていく。
わかんで直登しようとすると膝上くらいのラッセルは必須で、一人では到底もたないのでスキーとシューのトレースを追う。


なんとなく湿り気があるパウダースノーがブナの森を覆いつくしている。

緩斜面と急斜面が交互にあって、ひたすらトレースを辿るがワカンの浮力ではスキー・スノーシューのトレースが役に立たないほど沈む。場所によっては何度も足場を固めないと登れない区間もあった。


ブナも少なくなってきた。そろそろ抜けるか。

緩斜面も傍から見たら笑われちゃうようなペースで歩く。秘技牛歩。
次の急斜面を登ったら頂上かなと、何回考えて何回肩を落としたか。

だいぶ抜けた。魚沼の山々が見渡せる。


スキーヤーが滑ってくる。
登りの尾根ではなく谷へ滑っていく人もいるので人数は少なめ。



こここそ頂上だろ!と思って気合で登ったけどまだまだ続くよ。


次の急斜面を登ると大雪原に出た。
まだ先にピークは見えるし、反対側の山々の頭すら見えない。少し考えて、ここは頂上ではないという結論が出た。この景色を見た瞬間にほぼほぼ決まっていたが、果てしない景色が広がっているこの場所が今日のピークに決定。



ぼんやりと巻機山だろうか。でかい。


ほとんどのスキーヤーは下りていなくなっている中、スノーシューで登ったボーダー2人が下りてきた。聞けば、頂上はそこに見えているピークの先。頂上からはエチコマ中ノ岳もドーンと見えるらしい。
せっかくここまで来て、その景色を見ないで下りるのは悔しいが、心は折れ、体力は限界。これ以上登ることはできなかった。


その先の景色が見たかった。


この雪原も例年だと木が全て埋まってまっさらな雪原になるという。そうなったらまた来よう。もう少し雪が締まった3月後半がいいかな。ワカンで登山するには時期が少し早かったね。せめてもう一人いれば頂上に立てたと思う。
これくらいの条件の山を一人で登り切る体力が欲しい。


本来の計画では3月にテント持参で来て五竜岳も登る予定だったが、登れるのかアレ。


下り始めてしばらくするとスキーヤーが一人登ってきた。

「あれ?さっき・・・」
『二回目です』



BCスキーヤー恐るべし。