日本一長い名前の山 牛奥ノ雁ヶ腹摺山
2016.11.20 牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1,990m 山梨県)
妻のリハビリ登山に、ゆる~く尾根を歩きたいなと。
今回は湯ノ沢登山口から黒岳経由のピストンですが、もしかしたら牛奥ノ雁ヶ腹摺山~小金沢山の尾根が楽しい尾根だったかもしれません。
秀麗富嶽十二景の二番山頂でもあるので、ルート上の開けた場所からは、雪をかぶった富士山が綺麗に見えていました。
意外にも駐車場は満車で、人気ルートなのかと思ったら、三脚を担いだ方々が何人か下りて来ました。富士山カメラマンに人気のようです。↓この写真にも2人写ってます。
落葉したブナの林でしょうか。
ここに雪が積もると好物の景色になります。
勝手にイメージしていたよりも樹林帯が多く、苔もフワフワと生えています。
山頂手前のいい道。全体的にこういう道のりをイメージしていましたが、少し違ったな〜。
駐車場の標高も高かったので、ピークは2,3つ越えていますが登り標高合計で7~800mくらいで楽チン。
甲府市内は雲海で、奥には南アルプスもくっきり見えていました。
山頂。
後ろは奥多摩方面ですが見晴らしはイマイチ。夏場は絶望的です。
山標にQRコードが貼ってあり、ムフフ画像が見れるみたいです。興味ある方は頑張って見に行って下さい。
南アルプス北部も雪をかぶってます。
また来年。
では富士山4連発。
カメラマンに人気なのもわかりますね。
「ウシオクノガンガハラスリヤマ 」
「ウシオクノガンガハラスリヤマ」
歩きながら念仏のように唱えていました。
妻は覚えられなくて断念したようです(笑)
大天井岳へプチ縦走
2016.10.29-30 大天井岳(2,922m 長野県)
2017年から「しゃくなげ荘駐車場」が利用できなくなるらしいので、先取りして「山のたこ平駐車場」を利用して一ノ沢登山口から自転車で下りてみました。
燕山荘が近づくと青空が見えてきて
おおっ!
キター!!
突然姿を現した燕岳はこれまで見た中で一番キレイでした。
先を考えると燕岳はパスするほどにヘタレです。
白い砂と、緑のハイマツと、グレーの岩の配色が絶妙。
稜線左側の雲がどんどん上がって来ていますが、右側からの風に押し返されて稜線を超えません。
このまま大天井岳の山頂見えてるうちに到着できるか?
さっきまで一面青空だったのに気がつくと高層のうろこ雲が急速に押し寄せてきました。
大天井岳への登りに差し掛かると日陰になると同時に、ずっと吹いていた強風にも拍車がかかり、防寒対策の為ジャケットを着ます。カッパでは心許ないと思ったので、冬用ハードシェルを持ってきました。
大天荘へ向かってるつもりが山頂へ直登していたのでルートミスしたのかと思い、後続の2人に「おーい、ミスったー!夏道あっちー!」と叫びましたが、「頂上に行く!」みたいなこと言ってたのでそのまま登頂しました。
後に小屋前でテントを張っていたソロの方に「冬道に案内されてるから、直登で正解」と言われ気がついた。ハズカシ//
この日、大天荘はこのソロの方と先程の2人、そして私のテント3張りでした。小屋は営業終了してるので正規のテント場ではなく、強風を避けて小屋に寄り添うようにテントを張らせていただきました。
テントを張ってから寒くて一歩も外に出ずにシュラフに入りましたが、3時頃少し星が見えていたので全部着込んで撮影タイム。
しかし強風に晒されすぎて30分ともたずにギブアップ。再びテントに戻って暖を取りました。
翌朝、再び山頂へ。
この気軽さが大天井岳が好きな理由かもしれません。
もちろん山頂も小屋もテント場もロケーションは最高です。
無雪期はアルプス中心の山歩きをしていますが、この山行の数日前にお話した方によると「北アルプスがどうでも良くなる程、東北の山は良い」とのこと。ルートやアクセスを検討しないとね。
常念岳から下りて来る人が見えます。
ここまで上はハードシェルの下にフリース、下はソフトシェルパンツにレイン、ウール手袋にオーバーグローブという真冬並みな格好で歩いてましたが、常念乗越から少し下った風が凌げるところで休憩と衣服調整です。
下から何人も上がってきてました。皆さんお早い出発で。
霧氷ゾーンで写真をパシャパシャ撮りながら下っていたら、同じくパシャパシャ撮りながら登ってきた人がどこかで見た顔。7月の後立山で途中まで同じ行程だった方でした。
不思議なご縁ですね(笑)
大天井岳はこれで3回目になります。
全てテント泊装備で中房温泉から上がっていますが、大天井岳に着くころには毎回グダグダです。燕岳にも登ってから大天井岳まで余裕を持って行けるだけの体力が欲しいですね。
夏の後立山4日間が微妙な天気だったので、本格的な冬が始まる前に晴天の稜線を歩けてよかったです。
関連記事
晩秋の北岳
2016.10.22-23 北岳(3,193m 山梨県)
土日ともに午前中は良さそう。
上は0度とか2度とか。
どんな防寒対策が必要か忘れてしまったわい。
スタートは最高の天気だったんだけどな。
だんだん雲が多くなってきて
稜線に出たころには黒い雲が近づいてきて、西側からの強風と雹。寒さとの戦い。
急ぎたくても足が付いてこない(泣)
夜中も2時くらいになるとなんとなく晴れてきて、星も見えるくらいになってきた。
甲斐駒と北斗七星。
またシュラフに潜りこみウトウトしてたら、起きるタイミングを逸して日が昇ってきてしまった。テントから日の出を見るのは自分のスケジュール的には稀なこと。天気はよさそうだ。
うろこ雲の下、岩場を進むと頂上だ。
天空の稜線は安定のスケール。また歩きたいな。
北岳から見る富士山は好きな景色だね。いつも素晴らしい。
紅葉は広河原周辺がメインだったな。紅い成分が少ないので黄葉というのが正解か。
帰りは頂上がガスに覆われてたのでスタート時の写真。
今回は白根御池ルートピストンでした。
今年も無事に北岳に登れることができて嬉しい。
過去の北岳に関する記事
のんびり尾瀬でマッタリんこ
初めての尾瀬。
一応、山と高原地図は2013年版を持っているけれど見るだけで使うのは初めて。いや、会津駒のときに使ったかな?三岩岳が載ってないから使ってないか。
(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)
1日目
鳩待峠〜山ノ鼻〜竜宮小屋〜見晴〜東電小屋〜ヨッピ橋〜竜宮小屋〜見晴(テント泊)
2日目
見晴〜沼尻〜三平下〜一ノ瀬
天気は上々だけどハイシーズンじゃないから人は少ないね。
北岳の予報がイマイチだから晴れそうな尾瀬へ来てみました。
至仏山も燧ケ岳もくっきりだー♪
見えてる景色に変化がないので同じような写真ばかりになってしまう。
腕が問われるな、ここは。
村が見えたどー
1日目に燧ケ岳は登るつもりだったけど見晴の小屋集落の誘惑に負けてしまい、ハシゴした挙句にお昼寝してゴロゴロ過ごしました。尾瀬だからいいか(意味不
トイレはペーパーも流せる水洗で臭くないし、水場も完備。集落から一歩外に出れば尾瀬ヶ原を満喫できる、お気に入りのテント場となりました。
夕方ぐるっと散歩してから湯煎するだけメシ。相変わらずセブンのもつ煮サイコー。
この日は弥四郎小屋が休業中だったので、小屋前のベンチが気兼ねなく使えて、テント泊の方々で賑わってました。
夕方から寝るまでは雲が多くなって星空は見えないかなーと、
思ってましたが2時に起きたらコレ!
星撮り道具はセッティングしておいたのですぐ撮影に入りましたが、天の川の濃い部分は西方向に沈んでて、薄い部分がぼんやりとしか見えなくて残念。もっと早く起きてチェックするべきでした。
それでも四方を山に囲まれて真っ暗な尾瀬ヶ原で、満点の星空と幾つもの流れ星を堪能できました。
翌日は尾瀬沼経由で一ノ瀬まで。今回は休み明けの出勤が早いので早々に帰りたいところですが、一ノ瀬から大清水まで700円も払ってバスで下りてきたはいいけど、大清水から駐車場の戸倉へ行くバスが行ったばかりで次は1時間40分後。きまぐれで尾瀬に来たツケが回ってきてしまった。帰りのバスの時間を気にしてなかった。待つか歩くか考えていたら、目の前の駐車場に止めてた方が戻ってきたので、意を決して乗せていただけないか懇願してみたところ快諾していただきました。
この方、東電OBの方で尾瀬はかなり来ていたらしく、いろいろ興味深いお話も聞けました。乗せていただいてほんっっとにありがとうございました。
2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 3-4
微妙な天気の中、3泊4日で栂池を目指して歩いてます。
(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)
3日目
五竜山荘3:40〜5:45唐松頂上山荘5:55〜6:15唐松岳6:30〜10:05天狗山荘10:35〜11:35白馬鑓ヶ岳11:40〜13:30白馬頂上宿舎(テント泊)
4日目
白馬頂上宿舎4:00〜4:30白馬岳4:40〜5:40小蓮華山5:40〜6:40白馬大池7:00〜7:20白馬乗鞍岳7:20〜8:45栂池高原
3日目
この日は唐松岳〜不帰キレットを越えて、最低でも白馬頂上宿舎までは行きたい。気分次第で鑓温泉もアリだけど、天狗山荘に10:00までに着いたら白馬大池まで行こうと3:40にヘッドランプを点けて出発します。 唐松〜五竜は2014年に歩いているのですが、唐松山荘に近い牛首という岩場以外あまり記憶にございません。樹林帯に入ったり小ピークに登ったり、こんなにアップダウンがあったんだなという印象です。暗くて相変わらずのガスの中でも時々唐松岳らしき山が見えるので、近づいている実感はあり、牛首を登って山荘が見えるとホッとします。
夏前にtwitterでフォローさせて頂いた方が何故か山岳警備隊になり唐松山荘にいるっぽいので、ご挨拶できたらなーと思っていたらすぐに実現できました。山荘前で記念撮影パチリ!
何となくガスが取れてきたので今のうちに山頂を踏んで先を急ぎます。山頂から先は不帰ノ嶮(かえらずのけん)というキレットなので、この旅2回目のヘルメットを装着し気合を入れます。
まだ早い時間ですが、すれ違いの方が結構いました。2峰を超えると1峰までの急峻な上りが見えますが、憂鬱なのがその奥に見える「天狗の大上り」、標高差300mを一気に登ります。不帰ノ嶮を通過し天狗の大上りに差し掛かるところでエネルギーチャージしました。
息も絶えだえ300mを登りきると遠くに雪渓が見えたので、おそらく天狗山荘もあそこだと張り切りますが、見た目以上に遠くて萎えます。天狗山荘には雪渓の雪解け水場があり飲み物がキンキンに冷やされていて、思わずコーラを購入。美味かった!頼んだ牛丼もかなりポリューミーでしたが何とか完食。白馬大池までの活力になります。
天狗山荘をスタートしてすぐ、少し成長した子ライチョウに会いました。ここまで他の登山者の方から目撃情報は聞いていたものの会えずに、2年振りくらいに会ったライチョウは望遠レンズに付け替えてる間も隠れずに居てくれました。
鑓温泉への誘惑を過ぎると真っ白な白馬鑓ヶ岳です。ザレた白い斜面をひたすらつづら折れに登り、気付いたら山頂へ直登してました。山も白いですが、それ以上に空が真っ白です。
白馬鑓ヶ岳を下り始めると急に暗くなり風も冷たくなりポツポツと雨が降り始め、すぐに本降りになりました。カメラを濡らすワケにはいかないのでドライバッグに入れザックの中へ。当然ですが杓子岳は巻きます。
なのでしばらく写真は無く、次の写真がコレ。雷も鳴ってたので仕方なく混み混みの白馬のテント場で幕営。この後降ったり止んだり。明日は最終日、好天に期待するしかありません。
これだけ人がいると健太(※同日程で同じルートを歩いているG大阪の長谷川健太監督似の若者)がいるのかいないのかわかりませんが、雨の中、白馬大池まで行ったのかもしれません。
夜中ふと目が覚めて空を見るとなんと天の川が見えているではありませんか!予想外のことだったので急いで星を撮りました。薄っすらガスが掛かってますね。もう少し早く目が覚めればよかったんですが、これでも山の上で見る星空は最高です。
4日目
テント場から、頂上宿舎から、白馬山荘から、山頂ご来光を目指して大勢の方が登っていきます。ご来光は下山ルート上から見えそうだったので頂上は写真だけ撮ってそそくさと下山開始します。
しばらくして富山側からガスが上がってきて、完全に閉ざされる前に日が昇りました。この旅初のご来光です。ぼんやりしてますがこれはこれでいい感じです。山頂にいた大勢の方々はガスのないご来光は見れたのでしょうか。
小蓮華山を過ぎるとガスが晴れて鹿島槍ヶ岳までの稜線が見えてきました。あそこから幾つもの頂を越えてここまで歩いてきたと思うと、込み上げるものがあります。
完全にいい天気になりました。雲海も見えて稜線もバッチリ。これから登る方は羨ましい限りです。
白馬大池でザックをおろして休憩しつつ人間ウォッチング。幼稚園から小学校低学年くらいの子供が多いですね。こんな天気にこんな素晴らしい景色の中、お泊りができたら山が好きになっちゃうだろうなーと思っていたら男の子が泣いていました。山岳警備隊の方に「泣いてても家に帰れないぞ。」と発破を掛けられ、お母さんと手をつなぎ白馬岳方面に登っていきました。山頂まで行けたかな?
乗鞍岳周辺は大きな岩の上を大股で歩く場面も多いので足にきますね。しかしこれが最後のピーク。あとは下るだけで旅は終わります。
大きな岩がゴロゴロしている急斜面を飛び跳ねるように下っていたら、見覚えのあるゼロポイントのデカザック。そうです、健太です。
「おー君はもしや!」
2日ぶりの再会でした。聞くと、やはり彼は2日目に唐松まで行っていましたが、3日目に私が唐松山荘に着いた時間にはまだ出発していなかったようです。おそらく私が白馬でテントを張り終えてマッタリしていた頃、雨も止んできたので白馬大池まで進んだようです。
そして感動のゴール!お疲れ様!
ホッとする反面、終わってしまった寂しさもあり複雑な気持ちになりました。
栂池パノラマウェイのロープウェイに爺ヶ岳から船越ノ頭までの稜線の写真が貼ってありました。
「これ、全部歩いたんだ。」 「幸せすぎるね。」
ゴンドラを降りて健太とはガッチリ握手をして別れました。
「またどこかの山で!」
途中ほとんどガスの中だったけど、撤退を余儀なくされるような悪天候にならず、ケガもなく無事に歩き通せました。
この山旅を快く送り出して見守ってくれる妻と、この山旅で出会った全ての方、この山旅を支えてくれた全ての方に感謝します。
ありがとうございました!!
2016 後立山縦走 扇沢〜栂池 Day 1-2
2016.07.28-31 爺ヶ岳 (2,670m 長野県・富山県)
鹿島槍ヶ岳 (2,889m 長野県・富山県)
五竜岳 (2,814m 長野県・富山県)
唐松岳 (2,696m 長野県・富山県)
白馬鑓ヶ岳 (2,903m 長野県・富山県)
白馬岳 (2,932m 長野県・富山県)
小蓮華山 (2,766m 長野県・新潟県)
乗鞍岳 (2,469m 長野県・新潟県)
今年もソロ縦走の季節がやってきました!
去年は行かなかったけど!
候補は3つあり、行きたい順に
1 後立山 扇沢〜栂池
2 三俣山荘ベースに黒部五郎、水晶
3 南アの南部 悪沢〜赤石〜聖の周回
今年はなかなか関東甲信地方の梅雨が明けず、概ね天気が良さそうな南アに対し、北アはガスだの傘マークだの決していい予報ではありませんが、行きたさを優先して後立山を縦走することに決定しました!
(画像をクリックすると1920px×1440pxに拡大されます。)
さて、縦走となるとマイカー派の方は、どこに車を駐車する?車の回収方法は?等、いろいろ検討しなければいけませんが、後立山に関してはほぼ全ての登山口にバスが通っているので問題ありません。下山口に自転車をデポするのも有効ですね。
今回私は下山してからすぐ車に戻りたいので、白馬周辺の玄関口である八方に駐車し、始発に合わせて白馬駅まで歩き、電車バスで登山口の扇沢までいきました。八方なら五竜、猿倉、栂池、どこから下りてもバス1本で繋がっているので急な予定変更でも安心です。
ちなみに栂池〜八方〜扇沢なんてバスもありますが、本数が少ないので時間に注意です。
1日目
扇沢7:40〜7:55爺ヶ岳登山口8:00〜12:00種池山荘12:30〜13:40爺ヶ岳14:00〜15:15冷池山荘(テント泊)
2日目
冷池山荘5:30〜7:10鹿島槍ヶ岳8:10〜9:15キレット小屋9:30〜13:00五竜岳13:15〜14:05五竜山荘(テント泊)
計画では冷池泊は決めていて、2泊目以降は行けるところまで行くつもり。でも3日目(土曜日)に白馬泊は避けたいという感じ。
1日目
八方から電車バスで扇沢まで行ってもまだ8時。冷池まで時間的には余裕(なはず)です。雨は降っていませんが、周りの山には重そうな雲が乗っています。
この日は冷池でテントを張るまで景色を見ることはありませんでした。柏原新道は風もなく多湿だったので、歩き始めて10分で汗が絞れるほどになり、体力の消耗も激しい気がします。「歩きやすくて初心者にもオススメ!」なルートらしいですが、私はあまりいいイメージはありません^_^;
途中、また熊に遭いました。今回は大きいので緊張しましたがスルーしてくれました。一応種池山荘の方に報告はしましたが、1日に数件の報告があるそうです。写真中央の黒い物体が熊です。こっちがフリーズしてしまったので、すぐ写真が撮れませんでした。
ようやく種池山荘に到着です。青シャツのおじ様は、同じバスで来て同じようなペースで登っていた方。種池泊で爺ヶ岳ピストンだそうです。少しお話をし、ここでお別れ。
種池山荘を出るとすぐチングルマの綿毛が凄いことになっていました。花の時期にはもっと凄いことになっているんでしょうね。綿毛のほうが好きですが。
稜線は涼しい風が吹き、時々薄いガスが飛んで爺ヶ岳が見えたり見えなかったり。真っ白なガスの中、今回縦走の一つ目のピーク、爺ヶ岳で記念撮影したら冷池山荘を目指します。
冷乗越まで時間の割に思っていた以上にキツく、山荘に着いてまず生ビールを頼みました(笑)小屋とテント場は離れていて、崖っぷちを通るので危ないと聞いていましたが、迂回路が作られていました。ありがとうございます。
テント場まで上がると、同じ時間に扇沢をスタートした若者(G大阪の長谷川健太監督似)がのんびりしており、13時頃に着いたとのこと。早い!健太も3泊で栂池を目指しているので、同じルートを歩こうとしているのは間違っているのではないか、やはり鑓温泉で下りるのが妥当なのではないか、いろんな不安が入り交じります。
テントは8張りほど。夏山シーズンとはいえ平日のテント場は空いていて最高です。うたた寝をしたら少し晴れて爺ヶ岳が姿を現しましたが、その後は夜にかけて雨。予報通りでした。
2日目
3時に起きると外は真っ白。どうしようかなーとうだうだ考える。停滞しても構わないけれど、とりあえずトイレに行こう。あれ?雨降ってるじゃん。マジかー。カッパを羽織って小屋まで往復すると雨も止み明るくなってきた。荷物をまとめた頃には晴れて、鹿島槍も立山剱もバッチリ見える。良かった、行ける。
途中の布引山あたりでガスが上がってきて焦ったけれど、鹿島槍山頂では最高の天気になった。低い稜線では雲海が溢れていた。当然キレットは雲海に飲み込まれていて、その雲を抜けた向こう側の五竜山頂でまたこんな景色が見られたらいいなぁと思っていた。
南峰から北峰へ向かう下りはかなり険しい。西穂独標から上のような雰囲気すらあるのでは。北峰へ登り吊尾根分岐でエネルギーを補給したら、いざキレットへ突入です。
地図には吊尾根分岐からキレット小屋までCT2:00と書いてありましたが、0:50で到着してしまい拍子抜けです。両手両足を使うような多少緊張感のある箇所は疲れ知らずで歩けてしまうんです。逆に足のみを使う何でもない登りがキツくて。クライマーでもなく普通登山の人なんですけどね。
ちなみに「八峰キレット」の読み方は
誤 やつみねキレット(剱岳のは八ツ峰)
誤 はっぽうキレット
誤 やっほうキレット
正 はちみねキレット
噂通り凄い所に建っているキレット小屋では健太が休んでいました。核心部でかなり時間を巻いたので追いつきましたが、健太は先に出発していきました。
こちらは水を補給してポンジュースをぐい飲み。連泊縦走だとビタミン摂取も大事です。キレット小屋は鹿島槍ヶ岳と五竜岳の間にありますが、距離的には真ん中ではなくまだ1/4ほどしか進んでいません。先は長いです。
五竜の取り付きまでに何度もアップダウンがあり、1時間以上歩いても標高が上がらないジレンマが続きます。
いよいよ五竜岳G5へ登りが始まります。ザレているのでゆっくり行きましょう。
このルートを検索するとG5G4はどこだかわからなかったという方も多いようですが、「時計の針のように矢印がペイントされている、座るのにちょうどいい岩」があるところがG5です。
G5を過ぎてからナップサックを背負った身軽な方が下りて来ました。時間は12:30過ぎだったかな。どこまで行くのか尋ねたら「五竜山荘に荷物を置いて五竜に登ったから五竜山荘まで帰るところ」と言う。いやいやいや、五竜山荘は五竜の向こう側ですよー。こっちは今五竜岳に登ってるんですよー。山頂手前の分岐を間違えてキレット方面に下りてきてしまったんですね。当人は「あれー?雰囲気似ているから全然気づかなかったー!いやね、登って来た時もホントこんな感じのとこだったんですよー。」わかったから登れよ、とは心の声です(笑)
そんなこんなでG4に登っていると思ったら山頂手前の分岐に着いてしまって結局G4はどこだかわからず。すると先程の方がいて「じゃ、山荘でビールでも!」と言って下りて行ったが、もう会うことはありませんでした(笑)
分岐には案内標識がこれでもかと立っていたけれど、これでも見落とす方もいるんだなぁと。
雲を突き抜けていて欲しいという願いは叶わず山頂はガスの中で、ポツリと雨が落ちてきているような気もするが気のせいだろう。先程の方が言っていたように、分岐直下は険しかったけど…わかるよなぁ。
五竜山荘には14時頃に到着しました。この日、唐松まで行ければ翌日に白馬のテント場を避けて白馬大池まで行ける予定でした。もう少し早出すればよかったのですが、体力的に厳しそうなのと夕立の可能性を考えて五竜山荘でテントを張ることにします。
五竜のテント場に健太の姿はありません。唐松まで行ったのでしょう。